
タロット小アルカナのワンドの6は、月桂冠を戴いた騎馬の人物が、勝利を象徴する月桂樹の冠で飾られた杖を掲げる姿を描いた札です。周囲には杖を持った徒歩の従者たちがおり、凱旋の行列をなしています。
ワンドの6が象徴するのは「主導権」と「勝利」。ワンドの5の激しい競争を勝ち抜き、その成果を称えられる段階を表します。
この記事では、占い業界歴19年のプロ占い師・五十六謀星もっちぃが、ワンドの6の正位置・逆位置の意味を恋愛・仕事・金運の場面別に詳しく解説します。
ワンドの6の基本情報

- アルカナ: 小アルカナ
- スート: ワンド(Wands / 棍棒・杖)
- カード番号: 6(Six)
- 元素: 火
- 占星術対応: 獅子座の木星(Jupiter in Leo / Crowley “VICTORY”)
- キーワード: 主導権・勝利・凱旋・称賛・注目
ワンドは火のスート。6はクロウリー『トートの書』(1944年)で「VICTORY(勝利)」と名付けられ、ティファレト(美)×火として「完全に均衡したエネルギーの顕現」を意味します。
カードに描かれた図柄の意味
ウェイト版のワンドの6には、月桂冠を戴いた騎馬の人物が、月桂冠で飾られた杖を掲げる姿が描かれます。徒歩の従者たちが杖を持って傍らに従い、凱旋する将軍を迎える行列のような構図です。
ウェイトはこの札の占い上の意味を次のように記しています。
この札はいくつかの意味を持つようにデザインされている。表面的には凱旋する勝者だが、王の使者によって運ばれるような大ニュース、希望の冠、期待の戴冠といった意味もある。逆位置:勝利した敵が門前に迫る恐怖、裏切り、敵への門の開放、無期延期。
— A.E.ウェイト『タロット図解』(1910年)(筆者訳)
月桂樹のモチーフ
月桂樹(ローレル)は古代オリンピックの勝者に与えられた勝利の象徴です。頭と棒の先にある月桂樹の冠は、この人物が名誉ある勝利を収めたことを物語っています。
ただし、もっちぃ講座では興味深い補足があります。月桂樹の葉の花言葉は「勝利」ですが、花の花言葉は「裏切り」。力がつきすぎることで裏切られるという勝利の弊害、すなわち狡兎死して走狗烹らるの警告が、このカードには暗に含まれているのです。
古典文献での占い義
- Mathers(1888年): 「試み、希望、願望、望み、期待。逆:不貞、裏切り、不忠、背信」
- Papus(1889年): 「抵抗の実現。ついに障害が成功する。事業の執行途中での失敗」※Papusは異色
- Thierens(1928年): 「知識(学術的)、装飾芸術、効率、労働、召使、実用的問題解決」
- Crowley(1944年): 「勝利——獅子座の木星。勝利の条件はワンドの火のエネルギー、6の均衡、獅子座の頑強な勇気、木星の幸運」
正位置の意味
基本的な解釈
ワンドの6の正位置は「主導権」「勝利」を意味します。競争を勝ち抜き、その成果を認められ、称賛される段階です。
このとき内面で起きているのは、一時的な優越感、楽観視、注目を浴びる誇らしさ。スポットライトが当たっている瞬間であり、自信に満ちて次のステップへと進める気分です。
もっちぃ講座では、このカードの「綺麗な勝ち方」という側面を強調します。単に勝つだけでなく、自分の成功で誰か(地元など)を幸せにする奉仕の心が伴う勝利です。凱旋する騎士が民衆に喝采されるように、あなたの勝利は周囲にも喜びをもたらします。
解決策は、スポットライトが当たっているこの瞬間に自信を持って行動すること。遠慮せず、勝利を宣言して自慢しましょう——と、もっちぃ講座は背中を押します。
恋愛での解釈
恋愛においてワンドの6の正位置は、相手に好意が伝わり受け入れられる状況を示します。告白の成功、プロポーズの受諾、あるいは略奪愛でライバルに勝利するような、明確な勝利の場面です。
これまで片思いだった相手との関係が進展する、あるいは好意を伝えたばかりの相手から良い返事が返ってくるなど、「待っていた知らせ」が届く予兆です。ウェイトが「王の使者が運ぶ大ニュース」と表現したのは、まさにこうした場面でしょう。
カップル間で出た場合は、関係が周囲に公認される時期。結婚の報告、同棲の開始、共通の友人や家族との顔合わせなど、二人の関係が「表舞台」に出る段階です。
仕事での解釈
仕事においては、コンペに勝つ、目標が達成される、昇進や表彰を受けるなど、努力の成果が形になる時期を示します。
営業職なら大型案件の獲得、起業家なら資金調達や大口契約の成立、クリエイターなら作品が高く評価される——こうした「勝利のニュース」がこのカードに重なります。
チームで取り組んだプロジェクトが成功し、あなたがリーダーとして称賛される場面もあり得ます。ただし、もっちぃ講座が指摘するように、勝利を独り占めにせず、仲間に分け与える姿勢が次の勝利につながります。
金運での解釈
金運においては、大きな収入や利益確定のタイミングを示します。ボーナス、インセンティブ、投資の利益確定、ビジネスの大口入金——これまで蒔いた種が一気に実る時期です。
ただし、勝利の後には嫉妬も付き物です。周囲に見せびらかしすぎると、思わぬ足元をすくわれる危険もあります。勝利を噛みしめつつも、次の種まきを忘れないでください。
逆位置の意味
基本的な解釈
ワンドの6の逆位置は「うぬぼれ」を意味します。勝利が慢心に変わり、それゆえに足元をすくわれる危険を示します。
このとき内面で起きているのは、虚栄心、独善、そして危機感の欠如です。一度の勝利で「自分は無敵だ」と思い込み、次の挑戦への備えを怠っている状態です。
もっちぃ講座では、この逆位置のもう一つの側面として「勝利が無意味であるシチュエーション」と「勝利と裏切り」を挙げます。口喧嘩で勝っても誰も幸せにならないような不毛な勝利、あるいは月桂樹の花言葉が示すように「勝利の後に裏切りが待っている」という展開です。
解決策は、優越感に浸っている内に気付けば目下から追い越されていたという状況を警戒すること。今の栄光に安住せず、次の挑戦を見据えてください。
恋愛での解釈
恋愛において逆位置が出た場合、相手に振られる、ライバルに負ける、あるいは相手からの信頼を裏切られる場面を示します。
付き合い始めのカップルで出た場合、一度手に入れたと思った相手の心が離れていく可能性を示します。あるいは、自分の魅力を過信しすぎて相手を軽く扱い、相手の気持ちを冷めさせてしまうパターンです。
復縁や片思いで逆位置が出た場合、期待していた返事が来ない、あるいは「もう少しで手に入りそう」だった関係が崩れる可能性を示します。慢心を捨てて、相手の気持ちを丁寧に扱う時期です。
仕事での解釈
仕事においては、過去の成功体験に縛られて新しい挑戦から逃げている状況、あるいは慢心が部下や同僚の信頼を失わせている状況を示します。
「自分は実績がある」という過信が周囲との温度差を生み、孤立していく危険があります。また、ライバル会社や後輩にポジションを奪われる予兆としても出ます。
Mathersが逆位置に「不貞、裏切り、不忠、背信」という意味を与えているように、信頼していたビジネスパートナーや部下からの裏切りにも要注意。月桂樹の花言葉の警告を思い出してください。
金運での解釈
金運においては、一度手にした利益を慢心で失う危険を示します。「次も同じ方法で儲かるはず」という過信が、大きな損失につながるパターンです。
投資で大きな利益を得た直後は、リスクへの感覚が鈍くなりがちです。逆位置のワンドの6が出たら、一度ポジションを整理して、冷静に市場と向き合う時期と捉えてください。
このカードが示す人物像
ワンドの6が表す人物は、努力の末に頂点に立った勝者です。カリスマ性があり、周囲からの尊敬を集める。ただし、謙虚さも兼ね備えた「綺麗な勝ち方をする人」のイメージです。
スポーツの優勝者、コンペで大賞を取ったクリエイター、選挙で当選した政治家、起業家として成功した経営者——こうした「勝利の瞬間にスポットライトを浴びる人物」がワンドの6に重なります。
逆位置では、うぬぼれて足元を見ない人物を示します。過去の栄光にしがみつき、「自分はすごい」と語り続けるタイプ。あるいは、信頼していた仲間に裏切られて失脚する悲劇の主人公でもあります。
このカードが示す状況
ワンドの6が示す状況は、「勝利の瞬間、称賛の舞台」です。
正位置の場合、あなたは今、注目を浴びる立場にいます。これまで頑張ってきたことが認められ、周囲からの賞賛や祝福を受けている時期。この勢いを次の挑戦につなげることで、さらに大きな成果が期待できます。
逆位置では、慢心から足をすくわれる状況、あるいは勝利したはずが虚しさを感じる状況を示します。勝利の形式は得たけれど、その中身を見直す時期です。
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リーディングのアドバイス
他のカードとの組み合わせ例
- ワンドの6 + 太陽: 圧倒的な勝利と栄光。人生のハイライト
- ワンドの6 + 戦車: 勝利のパレード。正面突破で次の目標も達成
- ワンドの6 + 月: 勝利の裏に隠された不安。見た目ほど安泰ではない可能性
- ワンドの6 + ソードの9: 勝利したはずなのに眠れない。栄光の重圧に押し潰されそう
初心者がよくする誤読パターン
ワンドの6の誤読で最も多いのは、「勝利=すべて良し」と短絡的に読んでしまうことです。ウェイト自身が「月桂樹の花言葉は裏切り」という二面性を意識してこの札を設計しているように、勝利には常に次の警戒が必要です。
また、逆位置を「敗北」とだけ読むのも不十分です。逆位置の核は「うぬぼれ」、すなわち勝利後の油断や慢心。敗北そのものではなく、慢心によって招く敗北という読みが正確です。
たとえば「昇進試験に合格できますか」という質問にワンドの6の正位置が出た場合、「合格の可能性が高く、周囲からの称賛も得られます。ただし合格後の舞い上がりに注意」と踏み込みます。逆位置なら、「合格したとしても慢心で足をすくわれる可能性。謙虚さを忘れずに」と伝えます。
実践的な読み方のコツ
ワンドの6が出たときのポイントは、勝利の後の展開まで視野に入れることです。
このカードは「勝利」のカードですが、その勝利がゴールではありません。勝利は通過点であり、そこから先の展開を見据えたアドバイスが、相談者の実益になります。
正位置なら「この勢いを次にどう活かすか」、逆位置なら「勝利の形式は得たが、本当の意味で勝ったと言えるかを問い直す」——そんな一歩踏み込んだ読みが効果的です。リーディング力を磨きたい方はタロットリーディングのコツも合わせてご覧ください。
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参考文献
- A.E. Waite, *The Pictorial Key to the Tarot*, London: William Rider & Son, 1910
- S.L. MacGregor Mathers, *The Tarot*, London, 1888
- Papus (Gérard Encausse), *The Tarot of the Bohemians* (trans. A.P. Morton), 1892
- A.E. Thierens, *The General Book of the Tarot*, 1928
- Aleister Crowley, *The Book of Thoth*, London: Ordo Templi Orientis, 1944
著者紹介
五十六謀星もっちぃ / 占い業界歴19年。10代で占い師デビュー後、対面鑑定や電話占いで延べ5万人を鑑定。著書『1日2時間で月10万円 はじめよう電話占い師』(同文舘出版)、『五十六謀星もっちぃの占星術講義』(説話社・占い大学公式テキスト)。フジテレビ「ノンストップ!」等に出演。ananweb(マガジンハウス)で星占い記事「もっちぃ占ぃ」を担当。250人以上の占い師を育成。




