
結論: 占星術の相性占いには、2つのチャートを重ねる「シナストリー」と、2人の中間点で新たなチャートを作る「コンポジット」という2つの代表的な技法があります。しかし、最も基本的で的中率の高い相性占いは、それぞれのホロスコープから人物像をよく理解した上で、占星術師が自分の頭で判断することです。この記事では、相性占いの考え方から具体的な手順、Prophetess Astrologyでの二重円の作り方まで、実占例を交えて解説します。
この記事を書いた人 五十六謀星もっちぃ / 占い業界歴19年。10代で占い師デビュー後、対面鑑定や電話占い、占星術の連載や多数のメディア出演を経験。著書『五十六謀星もっちぃの占星術講義』(説話社)は占い大学公式テキスト。
占星術の相性占い――2つの技法
占星術で相性を見る方法はいくつかありますが、代表的なものは2つです。
シナストリー(二重円)
2人のネイタルチャートを重ね合わせて、互いの天体がどのようなアスペクト(角度)を形成しているかを分析する技法です。英語では「Synastry」と書きます。
内側に自分のチャート、外側に相手のチャートを配置した二重円(ダブルチャート)を作成して読みます。
シナストリーでわかるのは、2人が出会ったときに生じる化学反応です。「この人といると落ち着く」「なぜか引き寄せられる」「いつも衝突する」といった関係性の特徴が、天体同士のアスペクトに現れます。
コンポジット
2人の天体の位置の中間点を計算して、1つの新しいチャートを作る技法です。「2人でいることで生まれるエネルギー」を読み取ります。
シナストリーが「出会った瞬間の化学反応」を見るのに対し、コンポジットは「長期的な関係の質」を見るのに適しています。
どちらを使うべきか
| 目的 | 適した技法 |
|---|---|
| 出会いの相性・第一印象 | シナストリー |
| 長期的な関係の安定性 | コンポジット |
| 恋愛初期の分析 | シナストリー |
| 結婚後の関係性 | コンポジット |
この記事では、まずシナストリーの読み方を中心に解説します。シナストリーの方が直感的にわかりやすく、初心者にもすぐに実践できるからです。
相性占いの大前提――「人物理解」が基本
具体的な技法の説明に入る前に、最も大切なことをお伝えします。
私の著書『五十六謀星もっちぃの占星術講義』で繰り返し強調しているのは、次の思想です。
最も基本的で的中率の高い相性占いは、それぞれのホロスコープを理解して、両者の人物像をよくわかった上で、占星術師が自分の頭で判断することです。
互いのホロスコープの間にあるアスペクトを確認する方法や、2つのホロスコープを合成した図を使う方法など、いろいろな技法はあります。しかし、テクニカルな分析だけでは相性の本質はつかめません。
まず「この人はどんな人か」を1人ずつしっかり読み取る。そして「この2人が一緒にいたらどうなるだろう」を、占星術師が自分の知識と経験と直感で考える。これが相性占いの本質であり、それこそが人間を見る占星術の醍醐味です。
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シナストリーのやり方

Step 1: 2人分の出生データを用意する
相性占いには、2人分の出生データが必要です。
| 必要な情報 | 重要度 |
|---|---|
| 生年月日 | 必須 |
| 出生時間 | あれば精度が上がる |
| 出生地 | 出生時間がある場合に必要 |
相手の出生時間がわからないケースは実占では非常によくあります。出生時間がなくても、月のサイン以外の天体は十分に読み取れます。私の著書でも、出生時間不明の相手を占う実占例を取り上げています。
Step 2: Prophetessで二重円を作成する
Prophetess Astrologyの二重円機能を使えば、2人のチャートを重ねて表示できます。
- まず自分のネイタルチャートを作成
- 二重円モードに切り替え
- 相手の出生データを入力
- 内側に自分、外側に相手のチャートが表示される
Step 3: アスペクト表を確認する
二重円を表示すると、2人の天体間のアスペクトが一覧で確認できます。ここからが読み取りの本番です。
シナストリーの読み方 — 5つのステップ
Step 1: 月のアスペクトを最優先で確認する
相性占いで最初に見るべきは、月のアスペクトです。
月は感情と安心感を司る天体ですから、2人の月同士、あるいは一方の月と他方の天体との関係が、日常的な居心地の良さを左右します。
- 月同士がトライン(120度): 一緒にいて自然にリラックスできる
- 月同士がスクエア(90度): 感情的なすれ違いが起きやすい
- 一方の月と他方の太陽がコンジャンクション(0度): 強い絆を感じる
Step 2: 太陽と月のクロスアスペクトを見る
次に確認するのは、自分の太陽と相手の月、自分の月と相手の太陽のアスペクトです。
この組み合わせは「社会的な自分」と「内面の相手」の関係を示します。トラインやセクスタイルがあれば、互いの本質的な部分で支え合える関係です。
Step 3: 金星・火星のアスペクトを確認する
金星は「愛し方」、火星は「行動パターン」を示します。
- 一方の金星と他方の火星がアスペクトを持つ: 恋愛的な引力が生まれやすい
- 金星同士のトライン: 美意識や価値観が近い
- 火星同士のスクエア: 衝突が起きやすいが、刺激的な関係でもある
私の著書『五十六謀星もっちぃの占星術講義』では、相手の火星が自分の主要な天体と悪いアスペクトを作っている場合の解釈について詳しく触れています。火星はエネルギーの天体ですから、ハードアスペクトは「暴力」という意味ではなく、「エネルギーのぶつかり合い」として読む必要があります。
Step 4: 相手の天体が自分のどのハウスに入るかを見る
競合記事ではほとんど触れられていませんが、プロの相性鑑定ではハウスオーバーレイも重要な要素です。
相手の太陽が自分の第7ハウス(パートナーシップ)に入る場合、その相手をパートナーとして強く意識しやすい配置です。相手の金星が自分の第5ハウス(恋愛)に入れば、恋愛対象として惹かれやすくなります。
二重円で外側のチャート(相手の天体)が、内側のチャート(自分のハウス)のどこに位置しているかを確認してみてください。
ハウスの詳しい意味は「12ハウス完全ガイド」で解説しています。
Step 5: エレメント・クオリティのバランスを確認する
2人のチャート全体を俯瞰して、エレメント(火・地・風・水)やクオリティ(活動宮・不動宮・柔軟宮)のバランスを見ます。
たとえば、2人とも火のエレメントが多い場合は情熱的だが衝突も多い関係に。一方が火、他方が地の場合は、エネルギッシュな人と安定感のある人の補い合いが生まれます。
「相性が悪い」と出たらどうするか
相性占いで最も多い質問が「スクエアやオポジションが多くて相性が悪いと出た。どうすれば?」というものです。
ハードアスペクトは「悪い」のではなく「課題」
はっきり申し上げます。スクエア(90度)やオポジション(180度)があるからといって、その関係がうまくいかないわけではありません。
ハードアスペクトは「摩擦が生じやすい」ことを示していますが、摩擦があるからこそ互いに成長できるという面もあります。スクエアは「乗り越えるべき課題」、オポジションは「正反対だからこそ惹かれ合う」と読むのがプロの視点です。
むしろ、ソフトアスペクトばかりの関係は「楽だけど刺激がない」ということもあります。適度なハードアスペクトは関係に深みを与えます。
プロの占星術師が相性鑑定で伝えること
私が相性鑑定を行うとき、「この2人は相性が良い/悪い」という二元論的な結論は出しません。
代わりに伝えるのは、以下のようなことです。
- この2人が一緒にいると、どんな化学反応が起きるか
- 関係の中でどんな課題が生じやすいか
- その課題をどう乗り越えれば、関係がより良くなるか
- 互いのどんな部分が引き合っているか
相性占いは「合うか合わないか」のジャッジではなく、「関係を育てるためのガイドブック」として使うのが最も実りある活用法です。
架空の事例で学ぶ――「ユカさんとケンさんの相性鑑定」
ここからは、相性占いの実際の流れを架空の事例で見ていきましょう。
2人のプロフィール
ユカさん(相談者・女性)
太陽:天秤座 / 月:蟹座 / 金星:蠍座
ケンさん(気になる男性)
太陽:牡羊座 / 月:山羊座 / 金星:魚座 / 出生時間不明
ユカさんは「最近気になっている男性がいるのですが、うまくいくでしょうか?」という相談です。ケンさんの出生時間はわかりません。
まずはユカさんを理解する
いきなり二重円を見てアスペクト表に飛びつくのはNGです。まずユカさんがどんな恋愛をする人なのかをしっかりイメージします。
太陽が天秤座ですから、調和を大切にし、パートナーとの関係そのものに人生の重きを置く人です。しかし月は蟹座。表面的にはスマートに振る舞っていても、内面では「安心できる居場所」を強く求めています。
注目すべきは金星が蠍座にあることです。恋愛になると一途で深い絆を求め、中途半端な関係には耐えられない。天秤座の軽やかさとは裏腹に、恋愛には「全力で向き合ってくれる相手」を必要とする人だとわかります。
次にケンさんを理解する
ケンさんの太陽は牡羊座。率直で行動的、思ったことをすぐ口にするタイプでしょう。月は山羊座ですから、感情をあまり表に出さず、内面は慎重で責任感が強い。
金星は魚座にあります。魚座の金星は占星術ではエグザルテーション(高揚)の配置で、非常にロマンチックで献身的な愛し方をする人です。牡羊座の太陽からは想像しにくいかもしれませんが、恋愛面では驚くほど優しく、相手に尽くすタイプ。
ここまで読んだ時点で、「ユカさんが惹かれるのは納得だな」と感じます。
二重円を見る――良い面と課題
ここでようやくシナストリーを確認します。
良い相性のサイン:
ケンさんの金星(魚座)とユカさんの金星(蠍座)はトライン(120度)。同じ水のエレメントの金星同士で、愛情表現が自然に響き合う組み合わせです。ユカさんの「深い絆を求める」気持ちに、ケンさんの「献身的な愛し方」がぴったり噛み合います。
気になる課題:
一方、ユカさんの月(蟹座)とケンさんの月(山羊座)はオポジション(180度)。蟹座の月は「感情を共有したい、言葉にして安心したい」。山羊座の月は「感情は内に秘めるもの、行動で示す」。安心の得方が正反対です。
ユカさんが「もっと気持ちを言ってほしい」と思い、ケンさんは「行動で示しているのになぜわからないのか」とすれ違う場面が目に浮かびます。
占星術師としての判断
ここからが人間の仕事です。アスペクトの良し悪しを並べるだけなら機械でもできます。
私ならこう伝えます。
「ケンさんは、ユカさんが求める『全力で向き合ってくれる相手』です。金星同士のトラインが示す通り、愛情の深さは申し分ありません。ただし、気持ちの伝え方にズレが出やすい関係です。ケンさんは愛情を行動で示す人ですから、言葉にしてくれないことを『冷たい』と誤解しないでください。逆に、ユカさんが感じていることを素直に言葉にすれば、ケンさんはきちんと受け止めてくれる人です」
この事例から学べること
- まず人物理解から入る: いきなりアスペクト表を見るのではなく、1人ずつの人物像を把握する
- ハードアスペクトは「注意すべき課題」: 月のオポジションは「ダメ」ではなく、「すれ違いやすいポイント」として具体的に伝える
- 出生時間不明でも占える: ケンさんの出生時間がわからなくても、ここまで深い鑑定ができる
- 最後は占星術師の直感と人間理解: チャートの情報を総合して「この2人がどうなるか」を自分の頭で考える。それが相性占いの本質
恋愛以外の相性の見方
相性占いは恋愛だけのものではありません。ビジネスパートナー、親子関係、友人関係にも応用できます。
ビジネスパートナーとの相性
ビジネスの相性を見るときは、太陽・水星・土星のアスペクトを重視します。
- 太陽同士のアスペクト: 2人の方向性が合うか
- 水星のアスペクト: コミュニケーションの相性
- 土星のアスペクト: 長期的な信頼関係を築けるか
金星や火星のアスペクトよりも、こちらの3天体が重要です。恋愛とはチェックポイントが異なることを覚えておいてください。
親子関係の相性
親子関係を見るときは、月のアスペクトが最も重要です。親の月と子の太陽、あるいは親の太陽と子の月のアスペクトが、日常的な関わりの質を示します。
月同士のハードアスペクトは「感情のぶつかり合い」を示しますが、それは親子であるからこそ遠慮なくぶつかれるという側面もあります。
友人関係の相性
友人関係では、水星と木星のアスペクトが良好だと、一緒にいて楽しく知的な刺激がある関係です。11ハウス(交友関係)に相手の天体が入る配置も、友情を示すポイントになります。
コンポジットチャートの基本
「2人でいることで生まれるエネルギー」を読む
コンポジットチャートは、2人の天体の中間点を計算して作られるチャートです。シナストリーが「2人の天体の相互作用」を見るのに対し、コンポジットは「この2人が一緒にいるとき、どんなエネルギーが生まれるか」を1つのチャートとして示します。
たとえば、コンポジットの太陽が第7ハウスにあれば「パートナーシップそのものが人生の中心テーマになる関係」、コンポジットの月が第4ハウスにあれば「家庭的な安心感がある関係」です。
長期的な関係の質を知るために
結婚を考えている相手や、ビジネスパートナーとして長期的に組む相手との関係を見るときに、コンポジットは特に有効です。シナストリーで見えた「化学反応」が、時間の経過とともにどう変化するかのヒントが、コンポジットに現れます。
よくある質問(FAQ)
Q. 出生時間がわからない相手との相性は見れますか?
A. はい、十分に見れます。出生時間がわからなくても、太陽から冥王星までの天体のサインとアスペクトは読み取れます。アセンダントとハウスの配置は読めないため、ハウスオーバーレイの分析はできませんが、天体間のアスペクトだけでもかなり深い相性分析が可能です。私の著書の実占例でも、出生時間不明の相手を占うケースを取り上げています。
Q. 相性が良い=うまくいく、ではない理由を教えてください
A. ソフトアスペクトが多い「相性の良い」組み合わせでも、互いに成長の刺激がなく関係がマンネリ化することがあります。逆に、ハードアスペクトが多い組み合わせでも、課題を乗り越えることで深い絆が生まれることもあります。相性占いは「うまくいくかどうか」の判定ではなく、「この関係にどんな特徴があり、どう向き合うと良いか」を知るためのツールです。
Q. 自分と同じ星座の人との相性はどうですか?
A. 太陽が同じサインにあるということは、太陽同士がコンジャンクション(0度)を形成しやすいということです。これは「同じ方向を向いている」関係であり、理解し合いやすい反面、互いに似すぎて新鮮さが薄れることもあります。ただし、月やアセンダント、他の天体の配置が異なれば、同じ太陽星座でも全く違う人物ですので、一概に「良い/悪い」とは言えません。
Q. 星座の相性ランキング(獅子座と射手座は相性が良いなど)は当てになりますか?
A. エレメントが同じサイン(火と火、地と地など)同士は太陽がトラインを形成しやすいため、確かに調和しやすい傾向はあります。しかし、太陽のサインだけで相性を語るのはあまりにも情報が少なすぎます。月、金星、火星、アセンダントなど他の要素を含めて総合的に判断しない限り、正確な相性分析にはなりません。
Q. Prophetessで二重円を作るには相手の情報が必要ですか?
A. はい、相手の生年月日は最低限必要です。出生時間と出生地がわかればより精度が上がりますが、生年月日だけでも二重円を作成して主要なアスペクトを確認できます。Prophetess Astrologyの二重円機能で試してみてください。
まとめ――相性占いを「関係を育てるツール」として使う
占星術の相性占いは、「合う/合わない」の二択を出すための道具ではありません。
2人の関係にどんな特徴があり、どんな化学反応が生まれ、どんな課題が待ち受けているかを知るための道具です。そして、その情報をもとに「この関係をどう育てていくか」を考えるヒントを与えてくれるのが、相性占いの本当の価値です。
まずはProphetess Astrologyで二重円を作成してみてください。そして、月のアスペクトから確認する。それだけでも、2人の関係について新しい発見があるはずです。
占星術の体系的な学び方については「西洋占星術の独学方法」で、チャートの作り方は「出生図(ネイタルチャート)の作り方」で解説しています。
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