占い師の確定申告と開業届 — 青色申告・経費・インボイスまで実務者が解説【2026年版】

この記事の要点: 占い師として個人で活動するなら、開業届の提出と確定申告は避けて通れません。開業届は税務署に無料で提出でき、青色申告の節税メリットを受けるために必要です。確定申告では、タロットカード・占星術ソフト・パワーストーンといった占い師特有の経費を正しく計上することで、納税額を適正に抑えられます。本記事では、青色申告で消費税も納めている現役占い師の筆者(五十六謀星もっちぃ)が、開業届の出し方から確定申告の流れ、副業占い師の注意点、インボイス制度への対応まで、実務経験に基づいて解説します。


目次

  1. なぜ占い師に確定申告の知識が必要なのか
  2. 開業届の出し方と青色申告承認申請
  3. 確定申告の基本 — 白色と青色の違い
  4. 占い師ならではの経費を正しく計上する
  5. 副業占い師の確定申告 — 20万円ルールと住民税
  6. 源泉徴収 — 占い師の報酬から天引きされるケース
  7. インボイス制度と占い師
  8. 確定申告の実務フロー — 私はこうやっている
  9. よくある質問(FAQ)

なぜ占い師に確定申告の知識が必要なのか

占い師として活動を始めると、どこかのタイミングで必ず「確定申告」の壁にぶつかります。

所属している占い会社が源泉徴収をしてくれている場合もありますが、それだけで税務処理が完了するわけではありません。個人で活動している以上、自分の収入を自分で申告するのが原則です。

私自身、占い師として独立してから毎年確定申告をしています。青色申告で申告しており、消費税の納税もしています。最初は何もわからない状態からのスタートでしたが、一度仕組みを理解してしまえば、毎年の作業はそれほど大変ではありません。

この記事では、占い師が押さえておくべき税務知識を、実務の観点からまとめました。制度の細かい条文を解説するのではなく、「実際にどう動けばいいのか」に焦点を当てています。

ただし、税務に関する内容は法改正や個人の状況によって変わる場合があります。具体的な判断に迷ったら、必ず税理士に相談してください。この記事はあくまで「占い師が最低限知っておくべき全体像」を伝えることを目的としています。


開業届の出し方と青色申告承認申請

占い師として個人で開業する場合、最初にやるべき手続きは2つあります。

開業届(個人事業の開業届出書)

開業届は、税務署に「個人事業を始めました」と届け出る書類です。

正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、事業を開始した日から1ヶ月以内に、納税地(通常は住所地)を管轄する税務署に提出します(所得税法第229条)。

提出しなくても罰則はありませんが、後述する青色申告を選択するためには、別途「青色申告承認申請書」を期限内に提出する必要があります。開業届と一緒に提出しておくのがもっとも確実です。提出は無料で、税務署の窓口に持参するか、e-Taxで電子提出することもできます。

書類の記入項目はシンプルです。

  • 氏名・住所・生年月日
  • 屋号(任意。占い師名でもよい)
  • 事業の概要(「占い業」「占い鑑定業」など)
  • 開業日
  • 届出の区分(開業にチェック)

屋号は空欄でも構いませんが、占い師名を屋号として登録しておくと、屋号入りの銀行口座を開設できる場合があり、事業用口座の管理がしやすくなります。

青色申告承認申請書

開業届と一緒に提出しておきたいのが「所得税の青色申告承認申請書」です。

この書類を提出しておくと、確定申告の際に青色申告が選択できるようになり、最大65万円の青色申告特別控除が受けられます(後述)。

提出期限は、開業日から2ヶ月以内(1月1日〜1月15日に開業した場合はその年の3月15日まで)です。開業届と同時に提出するのがもっとも確実です。

開業届も青色申告承認申請書も、国税庁のウェブサイトからPDFをダウンロードして記入できます。 e-Taxを使えばオンラインで完結します。freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトにも、開業届を作成する機能が用意されています。

参考: 国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続

占い師としての開業全般については「占い師で開業する方法」で、開業形態の選び方から集客方法まで詳しく解説しています。


確定申告の基本 — 白色と青色の違い

確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。

白色申告

事前の届出なしで行える申告方法です。帳簿付けが簡易で、手間は最小限です。ただし、青色申告のような節税メリットはありません。

開業したばかりで収入がほとんどない段階では白色申告でも問題ありませんが、収入が増えてきたら青色申告への切り替えを強くおすすめします。

青色申告

前述の「青色申告承認申請書」を税務署に提出している場合に選択できる申告方法です。

青色申告には以下の節税メリットがあります。

青色申告特別控除

  • 複式簿記で記帳し、e-Taxで電子申告する場合: 最大65万円の控除
  • 複式簿記で記帳し、紙で申告する場合: 最大55万円の控除
  • 簡易簿記で記帳する場合: 最大10万円の控除

(根拠: 租税特別措置法第25条の2)

65万円の控除がどのくらいのインパクトかというと、所得税率が10%の場合、65万円 x 10% = 約6.5万円の節税になります。住民税も含めると約10万円近い差が出ます。占い師の収入規模を考えれば、この差は非常に大きいです。

赤字の繰越控除

青色申告では、事業で赤字が出た場合、その損失を翌年以降3年間にわたって繰り越すことができます。開業初年度は経費が多くなりがちなので、この制度は特に有利に働きます。

少額減価償却資産の特例

30万円未満の資産を一括で経費にできる特例です(年間合計300万円まで)。占星術ソフトやパソコンなどの購入費用を、その年の経費として全額計上できます。

私が青色申告を選んでいる理由

私は青色申告で確定申告をしています。最初は複式簿記に抵抗がありましたが、クラウド会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込んで仕訳してくれるので、実際の手間はそこまで大きくありません。

占い師として本格的に活動するなら、青色申告は「やらない理由がない」レベルのメリットがあります。


占い師ならではの経費を正しく計上する

確定申告で節税するために、もっとも大切なのが「経費の正しい計上」です。

占い師という職業は、他の業種にはない独特の経費が発生します。これを知らずに申告すると、本来計上できるはずの経費を見逃して、余計な税金を払うことになりかねません。

占い師の経費一覧

以下は、占い師が経費として計上できる代表的な費目です。

費目 勘定科目の例 具体例
占い道具 消耗品費 タロットカード、オラクルカード、ルノルマンカード、ダウジングの振り子
パワーストーン 消耗品費 鑑定時に使用するパワーストーン、浄化用のさざれ石、水晶
占術ソフト・アプリ 消耗品費 or 通信費 ホロスコープ作成ソフト、占星術アプリのサブスクリプション
書籍・教材 新聞図書費 占術の専門書、暦(天文暦・万年暦)、講座のテキスト代
通信費 通信費 インターネット回線、携帯電話料金(事業使用分)、Zoomの有料プラン
広告宣伝費 広告宣伝費 SNS広告、ブログのサーバー代、ドメイン代、名刺の印刷
プラットフォーム手数料 支払手数料 ココナラの販売手数料、電話占いサイトの天引き分
研修・セミナー費 研修費 占い講座の受講料、勉強会の参加費
交通費 旅費交通費 出張鑑定の移動費、イベント参加の交通費
衣装・備品 消耗品費 鑑定時に着用する衣装、テーブルクロス、照明
家賃(按分) 地代家賃 自宅で鑑定している場合、事業使用割合に応じた家賃の按分
光熱費(按分) 水道光熱費 自宅で鑑定している場合、事業使用割合に応じた光熱費の按分

占い師特有の経費あるある

一般的な個人事業主の経費ガイドには載っていない、占い師ならではの注意点をお伝えします。

タロットカードは何デッキも買い替える

タロットカードは消耗品です。毎日鑑定していれば、カードは傷み、曲がり、エネルギー的にもリフレッシュしたくなります。私の周囲の占い師でも、年に2〜3デッキ購入する方は珍しくありません。1デッキ3,000〜5,000円程度ですが、積み重なれば立派な経費です。

パワーストーンは経費になる

鑑定のときにパワーストーンを使う占い師は多いです。場の浄化に使う水晶やさざれ石、お客様の相談内容に応じて選ぶブレスレットなど、鑑定業務に使用するものは経費として計上できます。ただし、私物として普段から身につけているだけのものは経費にはなりません。「事業で使用している」という実態が必要です。

占星術ソフトは意外と高い

占星術を使う占い師にとって、ホロスコープ作成ソフトは必須のツールです。無料で使えるものもありますが、プロ向けのソフトウェアは年間数千円〜数万円のサブスクリプション費用がかかります。これも立派な事業経費です。

暦の購入は毎年発生する

天文暦(エフェメリス)や万年暦は、占星術師にとっての仕事道具です。毎年新しい暦を購入する方も多く、これも経費として計上できます。

按分の考え方

自宅で鑑定をしている占い師の方は、家賃や光熱費の一部を経費にできます。これを「按分(あんぶん)」といいます。

按分の割合は、自宅の中で事業に使用しているスペースの割合や、事業に使用している時間の割合をもとに算出します。たとえば、3LDKのうち1部屋を完全に鑑定専用にしている場合は、面積比で25%程度を経費にできます。

按分割合に法律上の明確な基準はありませんが、合理的に説明できる根拠を持っておくことが大切です。税務調査の際に「なぜこの割合にしたのか」を説明できるようにしておきましょう。


副業占い師の確定申告 — 20万円ルールと住民税

会社員として本業を持ちながら、副業で占い師をしている方も多いと思います。副業占い師の確定申告には、いくつか特有のポイントがあります。

20万円ルール

会社員が副業で得た所得(収入から経費を引いた金額)が年間20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要です(所得税法第121条第1項)。ただし、この規定は「給与所得が1か所で、かつ年末調整を受けている」ことが前提です。2か所以上から給与を受けている場合や、年末調整を受けていない場合は、20万円以下でも確定申告が必要になることがあります。

ただし、注意すべき点が2つあります。

注意点1: これは「所得税」に限った話

20万円ルールはあくまで所得税の確定申告が不要になるだけであり、住民税の申告は別途必要です(後述)。

注意点2: 「収入」ではなく「所得」で判断する

20万円のラインは、売上(収入)ではなく、そこから経費を差し引いた「所得」で判断します。たとえば、年間の売上が30万円でも、経費が15万円かかっていれば所得は15万円なので、20万円以下に該当します。

住民税の申告 — 見落としがちな落とし穴

所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は必要です。

多くの方がこの点を見落としがちですが、副業の所得がある場合は、原則として住民税の申告が必要です。市区町村の窓口で手続きできます。

会社にバレたくない場合 — 普通徴収を選ぶ

副業が会社にバレたくないという方は、確定申告書の「住民税の徴収方法」の欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択してください。

これを選ばないと、副業分の住民税が本業の給与から天引き(特別徴収)されてしまい、会社の経理担当者が「住民税の額が給与に対して多い」ことに気づく可能性があります。

普通徴収を選択すれば、副業分の住民税は自宅に届く納付書で自分で納めることになるため、会社の給与明細には影響しません。

ただし、一部の自治体では普通徴収を希望しても特別徴収に統一される場合があります。心配な方は、お住まいの市区町村の税務課に事前に確認しておくことをおすすめします。

副業の所得区分 — 事業所得か雑所得か

副業で占いをしている場合、その所得が「事業所得」と「雑所得」のどちらに該当するかも重要なポイントです。

事業所得として申告できれば、青色申告特別控除や赤字の繰越控除が使えるため節税上有利です。一方、雑所得として扱われた場合、これらの特典は受けられません。

税務上、事業所得と認められるかどうかは、反復継続して営んでいるか、相応の時間や労力を投じているか、収益を得る意図があるかなどを総合的に判断されます。国税庁の通達では、年間の収入金額が300万円以下で帳簿の保存がない場合は雑所得として取り扱うことが原則とされています。

副業で占い師を始めたばかりの段階では雑所得として申告するのが無難ですが、本格的に事業として取り組み始めたら、帳簿をしっかりつけたうえで事業所得としての申告を検討してください。判断に迷う場合は税理士に相談することをおすすめします。

副業占い師が確定申告すべきタイミング

所得が20万円以下でも、以下のケースでは確定申告をした方が有利になる場合があります。

  • 源泉徴収されている報酬がある場合 — 確定申告をすることで、払いすぎた税金が還付される可能性があります
  • 赤字の場合 — 青色申告であれば、赤字を翌年以降に繰り越せます
  • 医療費控除やふるさと納税を適用したい場合 — これらの控除を受けるには確定申告が必要です

副業として占い師を始める方法については「在宅の占い師になるには」でも詳しく解説しています。


源泉徴収 — 占い師の報酬から天引きされるケース

占い師の報酬から、あらかじめ所得税が差し引かれる「源泉徴収」が行われるケースがあります。

電話占い会社に所属している場合

電話占いサイトなどの占い会社に所属して鑑定をしている場合、報酬から源泉徴収されていることがあります。私もかつて所属していた会社では源泉徴収されていました。

源泉徴収されている場合、年末に会社から「支払調書」が届く場合があります(支払調書の交付は法的義務ではないため、届かないケースもあります)。届いた場合は、記載された源泉徴収額を確定申告書に転記すれば、すでに天引きされた税金との差額で納税額(または還付額)が決まります。届かない場合でも、自分で報酬明細をもとに源泉徴収額を確認し、確定申告書に記載してください。

メディア執筆の原稿料

占い師としての活動が広がると、雑誌やウェブメディアから原稿の依頼を受けることがあります。こうしたメディアからの原稿料にも、原則として源泉徴収が行われます。

私の場合、web連載を持っているマガジンハウスなど出版社からの原稿料や、著書の印税は源泉徴収されています。占い師としての鑑定収入だけでなく、こうした執筆活動の収入も確定申告で正しく処理する必要があります。

源泉徴収されていても確定申告は必要

よくある誤解として「源泉徴収されているから確定申告は不要」と思っている方がいますが、これは間違いです。

源泉徴収はあくまで「仮の税額を先払いしている」だけであり、年間の所得が確定した段階で正しい税額を計算し、過不足を精算するのが確定申告の役割です。特に複数の収入源がある場合は、確定申告をしないと正しい税額にはなりません。

還付申告 — 確定申告で税金が戻ってくるケース

源泉徴収されている占い師にとって、確定申告は「税金を取られる手続き」ではなく、「払いすぎた税金を取り戻す手続き」になることが多いです。

具体的にシミュレーションしてみましょう。

【例】年収400万円の占い師(青色申告)の場合

項目金額
事業収入400万円
経費(教材・通信費・家賃按分等)▲100万円
青色申告特別控除▲65万円
基礎控除▲48万円
社会保険料控除(国保・年金)▲約60万円
課税所得約127万円
所得税額約6.5万円

一方、電話占い会社やメディアからの報酬は、支払い時に10.21%が源泉徴収されています。仮に400万円のうち200万円分が源泉徴収されていた場合、約20万円がすでに天引き済みです。

実際の所得税が約6.5万円なのに20万円天引きされているわけですから、確定申告をすれば約13万円が還付されます。

つまり青色申告をしている占い師にとって、確定申告は「払う手続き」ではなく「返してもらう手続き」です。面倒だからといって申告しなければ、このお金は戻ってきません。これが、私が青色申告を強くおすすめする理由の一つです。

※ 上記は概算です。実際の金額は個人の状況により異なります。正確な計算は税理士にご確認ください。


インボイス制度と占い師

2023年10月から始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)は、占い師にとっても無関係ではありません。

インボイス制度の基本

インボイス制度とは、消費税の仕入税額控除を受けるために「適格請求書(インボイス)」の発行・保存を求める制度です。インボイスを発行するには、税務署に「適格請求書発行事業者」として登録する必要があります。

占い師はインボイス登録すべきか

結論から言えば、年商(売上)が1,000万円未満の占い師は、インボイス登録をしなくても問題ないケースが多いです。

理由は以下の通りです。

  • 年商1,000万円以下の事業者は「免税事業者」であり、そもそも消費税の納税義務がない
  • 占い師のお客様の大半は一般消費者であり、消費者はインボイスを必要としない
  • 電話占い会社に所属している場合、会社との契約条件によって対応が分かれるため、個別に確認が必要

一方、以下に該当する場合はインボイス登録を検討すべきです。

  • 法人や個人事業主を相手に取引がある場合 — 取引先がインボイスを求めてくる可能性がある
  • 年商が1,000万円を超えている場合 — すでに課税事業者なので、登録のデメリットがない
  • 出版社・メディアとの取引がある場合 — 原稿料の支払元が法人の場合、インボイスを求められることがある

私自身は、メディアや講座のお仕事が多くなった影響もあり、強制的に消費税を取られる立場になったのでインボイスに登録していますが、とても悔しいことです。しなくて良いならしない方が得です。

免税事業者のままでいる場合の注意点

インボイスに登録しない(免税事業者のままでいる)場合、取引先の法人や個人事業主が消費税の仕入税額控除を受けられなくなるため、取引条件の見直しを求められる可能性があります。

ただし、2026年現在も経過措置が適用されており、免税事業者からの仕入れでも一定割合の控除が認められています。

占い師の多くは一般消費者を相手にしているため、インボイス未登録でも実務上の影響は限定的です。自分の取引先の構成を見て判断してください。


確定申告の実務フロー — 私はこうやっている

ここからは、私が実際にどのように確定申告の準備をしているかをお話しします。

日常の経理作業

事業用の銀行口座とクレジットカードを分ける

これがもっとも大切です。プライベートの口座と事業用の口座を分けておかないと、確定申告の時期に地獄を見ます。開業したらまず事業用の口座を作ってください。

クラウド会計ソフトを使う

freee、マネーフォワード、弥生会計オンラインなどのクラウド会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードの明細を自動取り込みして仕訳してくれます。複式簿記の知識がなくても、ソフトの画面の指示に従っていけば帳簿が完成します。

レシートは撮影して保管する

タロットカードやパワーストーンをお店で購入した場合のレシート、占い関連の書籍の領収書などは、月に1回まとめてスマホで撮影し、会計ソフトに取り込んでおきます。紙のレシートも念のため保管しておきましょう。個人事業主の場合、帳簿や書類の保存期間は原則7年間です。

確定申告の流れ(毎年2〜3月)

  1. 1月末まで — 前年の取引データがすべて揃っていることを確認する
  2. 2月上旬 — 会計ソフトで帳簿を確定させ、決算書(青色申告決算書)を作成する
  3. 2月中旬〜3月15日頃 — 確定申告書を作成し、e-Taxで電子申告する(期限日が土日祝の場合は翌平日に繰り延べ。たとえば令和7年分は2026年3月16日が期限です)
  4. 納税 — 所得税は申告期限と同日まで、消費税は3月31日まで(振替納税やクレジットカード納付も可能)

確定申告書はe-Taxで提出するのがもっとも効率的です。青色申告特別控除の65万円を受けるためにもe-Tax申告が条件になっていますので、マイナンバーカードを取得していない方は早めに準備しておいてください。

売上が伸びたら税理士に頼む

私からのアドバイスとして、売上がある程度の規模になったら、税理士に確定申告を依頼することをおすすめします。

占い師は鑑定とお客様への対応が本業です。税務処理に毎年何日も費やすくらいなら、そのお金で税理士に任せて、自分は鑑定に集中した方が結果的に稼げます。

税理士の顧問料は個人事業主の場合、月額1〜3万円程度が相場です。確定申告のみの依頼であれば5〜15万円程度です。売上が数百万円を超えてくるタイミングで検討するとよいでしょう。


よくある質問(FAQ)

Q. 占い師の開業届は出さなくても大丈夫ですか?

A. 法的な罰則はありませんが、出さないと青色申告ができません。青色申告の節税メリット(最大65万円控除)を受けるためにも、開業届は出しておくことを強くおすすめします。提出は無料で、手続きも簡単です。

Q. 占い師の収入がいくらから確定申告が必要ですか?

A. 本業の場合は年間の所得(収入-経費)が48万円(基礎控除額)を超える場合に確定申告が必要です。副業の場合は、給与所得が1か所で年末調整を受けていることを前提に、年間の所得が20万円を超えると確定申告が必要になります。なお、住民税の申告は所得税の確定申告とは別に必要になる場合があります。

Q. タロットカードやパワーストーンは本当に経費にできますか?

A. 鑑定業務に使用するものであれば経費として計上できます。ただし、プライベートで身につけているだけのパワーストーンなどは経費にはなりません。「事業のために使用している」という実態が重要です。レシートや領収書を保管し、何のために購入したかを記録しておきましょう。

Q. 副業の占いが会社にバレないようにするにはどうすればいいですか?

A. 確定申告書の住民税の徴収方法で「自分で納付(普通徴収)」を選択してください。これにより、副業分の住民税が会社の給与から天引きされなくなります。ただし、自治体によっては対応が異なる場合があるため、事前に市区町村の税務課に確認しておくと安心です。

Q. 占い師はインボイス登録した方がいいですか?

A. 年商1,000万円未満で、お客様のほとんどが一般消費者(個人のお客様)であれば、登録しなくても実務上の影響は限定的です。法人との取引が多い場合や、すでに課税事業者である場合は登録を検討してください。

Q. 確定申告は自分でできますか?

A. クラウド会計ソフト(freee、マネーフォワード等)を使えば、簿記の知識がなくても自分で申告できます。ソフトの利用料は年間1〜2万円程度です。ただし、売上規模が大きくなってきたら税理士に依頼する方が効率的です。


まとめ

占い師の確定申告は、一度流れを理解してしまえば、毎年の作業自体はシンプルです。

押さえておくべきポイントを整理します。

  1. 開業届と青色申告承認申請書は、開業時にセットで提出する
  2. 青色申告を選び、最大65万円の控除を受ける
  3. タロットカード、パワーストーン、占星術ソフトなど、占い師特有の経費を漏れなく計上する
  4. 副業の場合は20万円ルールと住民税の普通徴収を忘れない
  5. 事業用の口座を分け、クラウド会計ソフトで日常的に記帳する
  6. インボイスは年商1,000万円未満なら急がなくてよい

税金のことは後回しにしがちですが、開業時にしっかり仕組みを作っておけば、毎年の手間は最小限で済みます。

占い師としてのキャリアの作り方を詳しく知りたい方は「占い師になるにはどうすればよいか」を、開業の全体像を把握したい方は「占い師で開業する方法」も、あわせてご覧ください。


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免責事項: 本記事の内容は2026年3月時点の税制に基づいて執筆しています。税制は毎年改正される可能性があり、また個人の状況によって適用が異なります。具体的な税務判断については、必ず税理士にご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務上の助言を行うものではありません。

五十六謀星もっちぃ

10代の頃から占い一筋に生きる職業占い師。老舗の占い館の史上最年少占い師などを経て、現在は占い師養成講座を主催。延べ5万人を鑑定。占い師の採用試験の実技審査員を400件以上担当。テレビや雑誌などメディア出演多数。著書に『1日2時間で月10万円 はじめよう 電話占い師』(同文舘出版)がある。

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