占い師として活動を始めると、「何をすべきか」は多くの情報で学べますが、「何をしてはいけないか」を体系的にまとめた情報は驚くほど少ないのが現状です。
しかし実際には、「してはいけないこと」を知ることの方が、はるかに重要な場合があります。占い会社のオーディション審査では、どんなに占いの知識が豊富でも、NG行動が一つでもあれば不合格になることがあります。それほど「やってはいけないこと」のインパクトは大きいのです。
この記事では、私が審査員として実際に目にしてきたNG行動と、現役占い師が陥りやすい問題行動を整理してお伝えします。自分に当てはまるものがないか、一つひとつ確認してみてください。

オーディションで「一発アウト」になるNG行動
1. 聞かれてもいないのに鑑定を始める
オーディション審査でよく遭遇するパターンがあります。
こちらが何の質問もしていないうちから、生年月日を聞いただけでペラペラと鑑定結果を勝手に話し始めてしまう方です。
これは、何の注文もされていないのに料理屋が勝手にうな重の特盛を持ってくるようなものです。
お客様は、自分の知りたいことを聞くために占い師に相談しているのであって、占い師が話したいことを聞きに来ているわけではありません。まずはお客様の相談内容を丁寧にヒアリングし、何を占ってほしいのかを正確に把握することが、鑑定の第一歩です。
2. 教科書を読み上げるような鑑定
タロットカードの意味を教科書に書いてあるまま伝える。ホロスコープの読み取り結果を、占星術の解説のように語る。
これは、占い師ではなく、占いの解説者がしていることです。
お客様が求めているのは、占いの説明ではなく、自分の人生に関する具体的な答えです。「このカードは新しい始まりを意味します」ではなく、「あなたが迷っている転職の件、今がまさに動き出すべきタイミングです」と、お客様の状況に踏み込んで語れるかどうか。
ここが、合格する人と不合格になる人の決定的な分かれ目です。
たとえば、「スタート」を意味するカードが出たときに、不合格になる人は「恋がしたいなら新しい旅立ちをするべき時です」のように一般的な意味だけを述べます。合格する人は「あなたはちょうど、地元に帰ろうか迷っているとおっしゃっていましたが、ここで旅立てば新しい出会いもあると出ています」と、相談者の文脈に合わせた具体的な答えを出せます。
3. 一般論・正論から離れられない
「不倫はやめた方がいいですよ」「嘘はよくないです」— こうした正論を言うことは、占い師の仕事ではありません。
お客様が占い師に相談するのは、正論では解決できない悩みを抱えているからです。道徳の教科書から離れて、占いの結果と自分自身の哲学をもとに、その人だけの答えを出す。それが占い師の役割です。
一般論から離れられない占いは、実はAI占いと変わりません。AI占いが出力するのは、占術の一般的な意味の羅列です。それと同じことを人間がやっているのであれば、人間の占い師に相談する意味がないのです。
鑑定中に気づかずやってしまうNG行動
4. 無意識の差別的な発言
これは、多くの占い師が自覚なしにやってしまっている深刻な問題です。
心のどこかで不倫や同性愛に対して否定的な気持ちを持っていると、それが不意に言葉として出てしまうことがあります。「○○歳ということは、ご結婚は?」「女性として家庭を優先したいですよね」「○○人と結婚したら苦労しますよ」— 占い師自身は何気なく言ったつもりでも、お客様は敏感に感じ取ります。10年前までは普通に使われていた言葉が、今では使えない。よくあることですが、それらの言葉は昔から誰かを傷つけていた言葉です。
占い師は、あらゆる価値観のお客様と向き合う仕事です。自分の中にある偏見や先入観を、常に点検する姿勢が必要です。
5. 先入観で決めつける
性別、年齢、職業、家族構成などの情報から、お客様の人となりを勝手に決めつけてしまう占い師がいます。
「40代の主婦だから悩みは夫婦関係だろう」「男性だから恋愛相談はしないだろう」— こうした先入観は、占いの精度を下げるだけでなく、お客様に「この人はわかってくれない」という印象を与えます。
目の前のお客様の言葉と、占いの結果だけに基づいて答えを出す。先入観を排除することが、正確な鑑定の大前提です。
6. 結論を出さない
占い師に対するクレームで最も多いのが、「結論を出してもらえなかった」というものです。
「あなたの思うように進みなさい」— 一見やさしい言葉に聞こえますが、これは占いとしては何もしていないのと一緒です。お客様は、自分では決められないから占い師に相談しているのです。「あなたが決めてください」と返すのは、占い師としての責任の放棄に等しいと私は考えています。
結論を出すことを恐れて、当たり障りのない言い回しで逃げる。これは、外れない占いをしているのではなく、占いをしていないのです。
7. お客様に迎合する
お客様が聞きたそうな答えに寄せてしまう。これも非常に多いNG行動です。
恋愛相談で「彼は私のことが好きですよね?」と聞かれたとき、占いの結果がそうでなくても、お客様の反応を見て答えを修正してしまう。お客様はその場では喜びますが、鑑定全体として「この人は芯がない」という印象が残ります。
結果として、リピートにもつながりません。お客様は、耳障りのいいことを言ってくれる人ではなく、信頼できる答えを出してくれる人にリピートします。
日常的に避けるべきNG行動
8. 専門用語の羅列で自己満足する
鑑定中に占術の専門用語を延々と語り続ける占い師がいます。
私がオーディション審査員を務めていた際にしばしば遭遇したのが、終始タロットカードの説明をなさる占い師さんでした。お客様が求めているのは占いの答えであり、占いの仕組みの講義ではありません。
専門用語を使うこと自体は悪くありません。演出の一つとして、カードの名前や星座の話を少し出すのは効果的です。ただし、結論は必ず平易な言葉で伝えてください。「あなたの恋愛は運命の輪の気持ちです」では、お客様はさっぱりわかりません。
9. 体調管理を怠る
占い師は自由な働き方ができる仕事です。しかし、その自由さがゆえに、自己管理が甘くなりがちです。
私自身の恥ずかしい失敗談ですが、鑑定中に眠ってしまったことがあります。長時間の待機で疲れていたのですが、お客様にとっては最悪の体験です。
占い師にとって体調管理は仕事の一部です。疲れているときは無理に待機せず、万全の状態で鑑定に臨んでください。
10. 他の占い師を悪く言う
自分の鑑定の正確さを誇示するために、他の占い師を貶めるような発言をする方がいます。他人の術を否定することで自分の術の正当性を示すような誇示の仕方は、あまり上品ではありません。お客様も不快感を感じることがあります。こうした発言は、お客様の信頼を得るどころか、むしろ「この人は器が小さい」という印象を与えます。
ただし、前の占い師さんの鑑定で相談者さんが明らかに傷つけられてしまっている場合には、その傷を癒やすために過去の占いを否定することはあり得るでしょう。「以前の占い師さんは間違っていますね。あなたが一生結婚できないなんてことはありません」「あなたが不幸になるというその鑑定結果はありえないですね」など。
NG行動を防ぐためにできること
ここまで挙げたNG行動の多くは、占い師自身が気づいていない場合がほとんどです。だからこそ、予防策が重要です。
自分の鑑定を録音して聞き返す
自分の鑑定を客観的に聞き返すと、無意識の癖や問題点に気づけます。電話占いの場合、自分の声を録音して後で聞き返すだけで、驚くほど多くの改善点が見つかります。
信頼できる人にフィードバックをもらう
独学で活動している占い師の最大の問題は、自分の問題点に気づけないことです。信頼できる先輩占い師や、体系的な講座で指導を受けることで、一人では気づけないNG行動を修正できます。
チェックリストを作る
この記事で挙げた10個のNG行動を、鑑定前に見直すチェックリストとして活用してください。慣れてくれば意識しなくても自然に避けられるようになりますが、それまでは「確認する習慣」が最も有効な予防策です。
まとめ
| 分類 | NG行動 |
|---|---|
| オーディション一発アウト | 聞かれていない鑑定を始める / 教科書の読み上げ / 一般論から離れられない |
| 鑑定中の無自覚NG | 無意識の差別発言 / 先入観の決めつけ / 結論を出さない / お客様に迎合 |
| 日常のNG | 専門用語の羅列 / 体調管理の怠り / 他の占い師の悪口 |
これらのNG行動に共通しているのは、「お客様の目線に立てていない」ということです。お客様が何を求めて占い師に相談しているのかを常に考えること。それが、すべてのNG行動を防ぐ最も確実な方法です。
占い師に求められる話し方やコミュニケーション術については、占い師の話し方・トーク術で具体的なテクニックを解説しています。また、リピーターがつく占い師の特徴は占い師のリピーター獲得術をご覧ください。
NG行動に気づけないまま活動を続けるのは、大きな機会損失です。 五十六謀星もっちぃの占い講座では、鑑定スキルだけでなく、プロとして避けるべき行動についても体系的に指導しています。まずはLINEにご登録ください。
よくある質問
Q. NG行動に気づかないまま活動し続けるとどうなりますか?
リピート率が上がらず、新規のお客様からのレビューも伸びません。「なぜかお客様がつかない」という状態に陥っている場合、このNG行動リストに該当するものがないか確認してみてください。
Q. 不倫やセンシティブな相談にはどう対応すべきですか?
占い師は道徳の教師ではありません。お客様の価値観を否定せず、占いの結果に基づいて答えを出してください。ただし、法律に触れるような内容(詐欺への加担等)についてはきちんと断る判断が必要です。





