水星逆行や金星逆行! そもそも「逆行」! とは何かよく聞く占星術用語入門!

 西洋占星術の世界では、しばしば惑星の逆行という用語が登場します。近年は特に水星や金星の逆行に対しての注目が高待っているようにも思います。今回は、よく聞く占星術用語入門と題しまして、今一度、この逆行というものについての解説をしてみたいと思います。

惑星が逆行するという現象

 西洋占星術は、実際の星の運行を元に占いをする占術です。基本的には、占星術が扱う要素はすべて、実際に観測できる天文上の現象か、そこから計算される値で構成されています。逆行もその例に漏れません。英語ではRetrogradeと表現されるこの現象は、天文的にはどのような意味を持つものなのでしょう。

毎日少しずつ動いている天体

 地球の自転により、太陽をはじめとしたすべての天体は、毎日東から西に移動して、24時間で元の場所に戻ってきます。しかし、24時間後に戻ってきた星をよく観測すると、前日とは位置関係が多少異なっている星があることに気づきます。互いの相対的な位置関係が変化しない星を恒星と呼び、それに対しての相対的な位置が日々変化する星を惑星と呼びます。惑星は、自転による動きとは逆に、西から東にかけて運行します。紛らわしいのですが、これを惑星の順行といいます。

逆行は惑星が惑星たるゆえん

 通常は星座に対して西から東に動く惑星ですが、実は結構な割合で逆向きに動きます。これが逆行です。逆行はそれなりに頻繁に起こる現象で、最も多い水星では年に3回程度、それぞれ3週間ほど逆行します。日本語の「惑」という文字には「迷い」という意味がありますが、これはこのように行ったり来たり迷っているかのような動きから当てられた漢字であると言われています。英語のPlanetも、放浪者を表すギリシア語のプラネテスから来ていると言われています。

逆行の天文学的原理

 惑星が普段と違う向きに運行することを逆行と呼ぶことはわかったとして、ではどうして、惑星は普段と違う向きに運行するとがあるのでしょう。太陽系の惑星はすべて、地球と同様に太陽の周りを公転していますが、この公転の向きが逆回転になることはありません。逆行とはあくまでも、地球から見たときに見かけ上逆向きに動いている状態のことなのです。天文学的には、地球よりも太陽に近い内惑星である水星と金星の逆行と、地球より外側を回る外惑星では逆行の原理が異なっています。なお、当然ながら月と太陽は天文学的には惑星ではありませんので逆行しません。

内惑星の逆行

 内惑星の逆行は比較的シンプルです。地球から見たときに太陽よりも手前を運行しているときは地球から見ると順行に見えます。下図でいえば黄色い矢印の部分がそれに当たります。逆に下図の赤い矢印に相当する、太陽を挟んだ向こう側を運行するときには、逆行しているように見えます。下図では順行と逆行が半分ずつに見えますが、実際には地球も灰色の矢印の方向に動いていますので、逆行の期間は半分よりも短くなります。

外惑星の逆行

 外惑星の逆行の場合は、基本的な形は同じですが内惑星の時と全体が逆になります。外惑星はすべて地球より角速度が遅いため、地球が黄色い矢印の位置にいるときに地球は外惑星を追い抜いて運行します。そのため地球から見ると外惑星が逆行して見えます。地球が赤い矢印の位置では外惑星が順行します。ホロスコープ上で、外惑星が太陽とオポジションの位置に近いときには必ず逆行して、コンジャンクションに近いときには順行しているのはこのためです。

占星術が捉える逆行

 天文学的な目線での逆行の仕組みはつかめました。今度は西洋占星術の世界で、逆行が持つ占いとしての意味を解説したいと思います。

水星の逆行

 最も頻度が多い水星の逆行は、特に話題に上りやすい最も有名な逆行といえます。水星はコミュニケーションや知性、商業などを司る天体です。水星の逆行が意味するところとして、コミュニケーションの齟齬が起こりやすくなることは一番の問題です。送ったはずのメールが届かなかったり、誤字で内容が違って伝わったりするのは、代表的な水星逆行の効果といえましょう。そのほかにも、なくしたものが見つかること、不意な再会なども水星逆行中に起こりやすくなります。

金星の逆行

 水星に次いで逆行の頻度が高く、人々の生活に大きな影響を与えているのが金星の逆行です。金星は愛と美と金銭の天体です。金星が逆行しているときには、愛情の不足を感じやすくなるかもしれません。女性の場合は肌のトラブルやこれまでの美容計画の見直しを求められることもあり得るでしょう。また、過去に借りていたお金の返済などの金銭に関する思いがけないトラブルが発生することもあるでしょう。金星の逆行中は自分を見直して自分の好きなことを続けていくための長期計画を的確に組み直す必要に迫られることがあります。

その他の天体の逆行

 天体が逆行することの一般的な意味として、その天体が司る領域に対しての見直しが求められるというものがあります。水星逆行時にはメールを見直す必要があるように、火星が逆行しているときには、その振り上げた拳が本当に正しいかどうかを見直す必要があります。天王星や海王星も逆行しますが、太陽系の外側を回る天体は公転周期も長く、逆行のサイクルも非常に長くのんびりしたものになります。占いの対象として考慮するのは、せいぜい木星か土星の逆行まででしょう。

出生図における逆行

 逆行はしばしば、「今」逆行しているかどうかがテーマにされることが多いのですが、誕生時のホロスコープに現れる逆行も意味を持っています。逆行時は天体の力が素直に発揮されにくいという前提に立ち、誕生図の中で逆行している天体の影響力は相対的に弱く読むことがあります。

 出生図中で、いくつの天体が逆行しているかを数えることも人柄を判断するために役立ちます。石川源晃氏の見解では、出生図中の逆行天体が2~3個の人は、最もわかりやすい普通の人で、それ以上多ければ気難しい人けれど才能がある人であるとされています。また、逆行天体がない人も特別な才能の持ち主で、アメリカの大統領にはそういう人が多いそうです。

参考文献


実習 占星学入門―ホロスコープの作り方と読み方

五十六謀星もっちぃと
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