当たり前のことですが、占い師は常にお客様の未来をよくするためのアドバイスをする必要があります。占いが当たることも当然に大切ですが、それだけではなく役に立つ実際的なアドバイスを見つけることができてこそ、本当の意味で当たる占いといえるのかもしれません。今回は、特に恋愛の占いに関して、占い師が目指すべきアドバイスの形を考えてみたいと思います。
恋愛における強気な駆け引きをアドバイスする勇気
恋愛の相談において、相手の気持ちが離れてしまっているという答えを得てしまったとしましょう。それに対しての解決策を占った時に出てくる答えには、様々なパターンがあるでしょうが、その中にはお客様に伝える時に、少しの躊躇を感じるものがあるかもしれません。
「何もしない」というアドバイスの難しさ
占いのお客様は、「何をしたらよいのか」という切り口で質問をなさることが多くあります。こういう聞かれ方をされると、何かの行動をアドバイスしなければならないと思いがちです。また、占いの側でも、例えばタロット占いで解決策を占おうとすると、何かをするという前提で解釈をしてしまいがちです。しかし実際には、冷静に占いを解釈すると「今は何もするな」という答えを示している場合があるはずなのです。
実際の恋愛の場面では、何か行動を起こすのではなく、何もせずにじっとしていることが最善の行動である場面はたくさんあります。いわゆる恋の駆け引きを要求されている場面がそれの代表です。アドバイスをする側の心理としては、相談者に何かの行動をとらせたくなってしまうものなのです。状況を正しく見極めて、「何もしない」というアドバイスを適切に出すことは以外と難しいことなのかもしれません。
駆け引きは失敗を伴う挑戦
恋愛の駆け引きは、必要な場面で適切に実施すると、猛烈な効果をもたらします。特に女性においては、駆け引き上手が恋愛を制するといってもよいでしょう。その駆け引きの必要性を的確に見極めてアドバイスをすることができれば、それは素晴らしい占いです。
しかしながら、駆け引きに対して積極的ではないお客様に駆け引きをお勧めするのは、占い師として少し勇気がいります。何せ、もし万が一、相手の気持ちが全くなければ駆け引きはとんだ空回りになります。そして、駆け引きはそれとバレたら逆効果になるテクニックでもあります。恋愛相談において、駆け引きを勧めるのは相当に自信がないとやりにくいアドバイスなのです。
お客様が恋愛に失敗しないようにアドバイスするのが占い師の仕事
駆け引きを進めるのは勇気がいります。なにせ、駆け引きが必要だという占いが当たっていたとしてもなお、お客様のやり方の間違いによって大外れになってしまうこともあるからです。これは不安です。そうはいっても、駆け引きが必要な場面で積極的な行動を勧めてしまっては、そもそも占いが当たるはずもありません。こういう場面においては、お客様が正しく駆け引きをして恋愛を成功させるところまで的確にアドバイスする必要があります。もしかすると、この種の占いにおいては具体的な駆け引きのやり方とルールを占うことが話題の中心なのかもしれません。
「外れにくい占い」と決別し「当たる占い」をする占い師になる
駆け引きが必要な場面で駆け引きを勧めることは、当然ながら適切な占いですが、同時に外れやすい占いでもあります。こういう場面において、弱気なアドバイスをしてしまうと、長い目線で見れば当たる占いができているとはいえなくなってしまいます。
「安全な占い」「外れにくい占い」の誘惑
恋愛の相談に限らず、「安全な占い」の誘惑は常に占い師について回ります。あえて曖昧な言い方をしたり、積極的な結論を丸めた弱い言い方が許されるならどんなに楽だろうと思うことは、何年占いをやっていてもなくなりません。離婚の相談や転職の相談、病院を変えるかどうかの相談など、重要なテーマであればなおさらに、鋭い占いを伝えることに勇気が必要になってしまいます。
占いが当たることを信じて強気にアドバイス
もちろん、こうした重要なテーマについては、占いを通じてできる限りの理解をした上で結論を出さなければならない問題ですので、慎重になるのは正しい姿勢です。しかし、明らかに占いの答えが積極的な行動を示しているのに、消極的なアドバイスをするのはよくないことといえます。
占いの学習者からすると当然の感覚ですが、しっかり勉強した占いは、ストレートに解釈すればちゃんと当たります。ですから、伝える勇気が必要な鑑定結果も、自信を持って朗らかに伝えるべきなのです。それが、「外れない占い」ではなく、一歩踏み込んだ「当たる占い」に必要不可欠なことであるといえましょう。