今日は、よく知られた占術の一つであるルーン占いについて紹介したいと思います。タロット占いやオラクルカードなどと同様に、ルーン占いは命卜相の卜術に分類されます。イエスノーや相手の気持ちの占い方など、これから占い師になる人にとって役立つ情報を提供できればと思っています。
ルーン占いとは
ルーン占いとは、シンプルにいえば、「ルーン文字」と呼ばれる文字を使った占いです。ルーン文字を刻んだ石や木のかけら、もしくはルーンが書かれたカードを使って占う卜術です。非常に神秘的で使いやすい占いであることから、占い師の間でも人気がある占術といえます。
北欧神話に登場するルーン文字の成り立ち
ルーン文字は、北欧神話の主神であるオーディンが作り出したものとされています。オーディンが自らを大樹ユグドラシルに吊し、瞑想をしているときにルーン文字を思いついたと記録されています。歴史の視点では、150年頃に作られた銘文に刻まれたルーン文字が、発見されている中では最古のものですが、もっと古い時代からルーン文字が存在していた可能性が示唆されています。
世界最古のルーン占いの記録
ローマの歴史家タキトゥスが紀元後100年頃に記した『ゲルマーニア』には、ゲルマン人が占いをするときの方法が記述されています。この記述を読む限り、それは今日の占い師が行うルーン占いのやり方そのものです。タキトゥスはルーン文字に関する知識がなかったため、その占いをはっきりルーン文字による占いとは記していませんが、他の歴史的証左からみて、これが最初期のルーン占いを記述していると考えて良さそうです。(参考『ルーンの教科書―ルーン文字の世界 歴史・意味・解釈』)
「read the runes」という成句もある
英語の成句に”read the runes”という表現があります。これは直訳すると、「ルーンを解読すせよ」ですが、英語圏では「将来を見通す」という意味で用いられます。ルーン文字は、もともとは日常的に使われていた生活文字だったのですが、その役目をアルファベットに譲って人々の日常から消えてしまうと、今度は魔術や占いのための神秘性の高い文字としての道を歩みます。
ルーン占いのやり方ミニ講座 相手の気持ちやイエスノー
ルーン占いの扱い方は極めてシンプルです。西洋の卜術としては、タロット占いとの類似が指摘されますが、学習コストはタロット占いよりも低いです。占い師になるには命卜相の卜術が一つなければ大変ですが、その候補にルーン占いを入れてもよいかもしれません。
ルーン占いの道具
素材は何でもよいので全部で25文字あるルーンが書かれた小さなかけらを用意します。市販されているものでもよいですし、自分で拾ったきれいな石にルーンを書いたのものでもかまいません。道具は気に入ったもので、手になじむ清潔なものであれば何でもよいのです。ルーン占いの魔力は、書かれている文字そのものに宿ると考えられているからです。
基本的な占い方
ルーン占いに尋ねたい質問を決めたら、ルーン文字の書かれたアイテムを、大きめの袋に入れて、その中から一つをランダムに選びます。選んだ文字の意味が、質問に対しての答えです。これをワンオラクルといいますが、ルーン占いではこれをとても重視します。
イエスノーを占うには
イエスかノーかで答えられる質問を尋ねる場合にも、ワンオラクルで占います。その際、出てきたルーンがポジティブな意味を持つか、占った内容のイエスと強く関連しているものであった場合に答えをイエスとし、ネガティブなルーンであるか、もしくはノーの状況を示唆する意味合いの文字であった場合に答えをノーとします。
二者択一を占うには
大抵のことに対してワンオラクルで答えを出すルーン占いですが、AかBかどちらが正しい選択しかを占うような二者択一の問題については、2つのルーンを使って占うこともできます。Aの場合、Bの場合とそれぞれにルーンを引き、その文字の持っている意味の強弱や、望む未来に近い意味を持ってる方が正しい選択肢だと判定します。
相手の気持ちを占うには
相手の気持ちもワンオラクルで読みます。このとき、質問の仕方として、「相手の気持ち」という曖昧な問い方をせずに、もう少し具体的に質問を作るのがポイントです。例えば「私のことをかわいいと思ってくれているか」とか「私との将来を真剣に考える気持ちがあるか」といったようなイエスノーで答えられる形にすると簡単に占うことができます。また、藤森緑氏の『タロット ルーン・ラブ・リーディング』という書籍に、恋愛に関連付けたルーンの解釈が詳しく書かれていますので参考になると思います。
詳しく学ぶには?無料で独学も可能か
ルーン占いはシンプルに学べる占術ですので、独学でも十分にマスターすることができます。ネット上にある情報だけでも十分に学ぶことができます。自分でカードや道具を作れば、完全無料で習得することもできるでしょう。もちろん、書籍を読めばより詳しく学ぶことはできます。この記事の記述で参考にした書籍を紹介します。(『ルーンの教科書』はすでに稀覯本です。私はルーンの歴史を調べるために図書館で読みました。)