占いをする上で、各種職業に関する知識が必要になる場面は珍しくありません。例えば、事情があって2年で何かの資格を取って仕事をしたいと考えている人がいたとして、その人に准看護師の資格は勧めて良いのでしょうか。こういった事前知識は占いの精度に影響する場合もあります。このシリーズでは占いに役立つという観点でいろいろな職業を紹介していきたいと思います。
今回は、憧れを抱く人も多い仕事である秘書の世界をご紹介します。男性から見たときに、妻にしたい職業ランキングの6位にも選ばれて得います。実際、このお仕事はどのような世界なのでしょう。
秘書の世界
一口に秘書といっても、その仕事は、千差万別で一言で語りきることはできません。そもそも「秘書」というのは、三国志の時代の中国の官職で、文書を司る役人の名称だったそうです。今でも、文書の整理は秘書の重要な仕事ですが、今日の秘書には他にもたくさんの業務があります。
様々な秘書の種類
一般的に秘書という言葉から連想するのは、会社などの役員に就いている秘書のイメージがあると思います。実際、私企業のエグゼクティブの元で仕事をするというのが、秘書という職業の主な働き方です。上司の書類の整理やスケジュール管理、会食の手配などが役員秘書の主な仕事です。
企業の役員秘書以外には、医療秘書と呼ばれる、医療現場における秘書の仕事があります。役員秘書同様に対象となる医師の仕事をサポートする他、場合によっては診療報酬の計算や受付などといった、医療事務の分野の仕事を請け負うこともあるそうです。
ニュースでおなじみの議員秘書という働き方もあります。ただし、この議員秘書という仕事は、政治家になるための登竜門としての意味合いが強く、純粋に生活手段としてこの仕事を選ぶというよりは、次につながるステップとして選ばれる仕事と言われています。
資格習得方法と期間について
秘書になるためには、必ずしも資格が必要なわけではありませんし、該当する国家資格もありません。ただし、民間資格である秘書検定は有名で、秘書として仕事をする上で持っていて損はないでしょう。また、外資系企業など、海外とのつながりが深い企業で仕事をするためには、CBSと呼ばれる民間資格も存在し、同様に就職における武器になるそうです。医療秘書の分野にも専用の資格が存在します。
秘書という仕事は、高度な社会マナーや仕事に対しての深い理解が必要な職種です。そのため新卒でいきなり秘書になることはなかなか容易なことではありません。そのため、卒業と同時に秘書を目指すような専門学校はあまりありません。
秘書検定などの資格は、独学で取得することが可能であるとされています。秘書検定の2級を有していると、ビジネスマナーに関する知識を示すことができる資格として、あらゆる就職活動で武器になります。そのため秘書志望に限らず学生に人気の資格となっています。
占い師目線のチェックポイント
さて、秘書というお仕事の全容が見てきたところで、占い師の目線でチェックしたいポイントを紹介します。よい占い師になるには、職業に関する基礎知識を持っていて損がありません。
秘書になるにはどうすればいいの?
前述の通り、大学を卒業した手の状態でいきなり秘書課に配属されることはほとんどありません。特に役員秘書という仕事についていえば、事務職の職員として働いているうちに、上司から指名されて秘書課に異動になるというのが王道のパターンとされています。実は秘書という仕事は、自分からなりたくてなるものというよりも、指名されて異動を受け入れて初めて秘書としてのキャリアがスタートする例がほとんどなのです。それ以外では、事務職等において様々な経験を積み資格を取得した後に、派遣社員として秘書の仕事での採用を待つという方法もなくはありません。
占い師の目線でアドバイスをする際には、学生に対してであれば、秘書になることを強く意識して、そのための情報収集や資格の取得を心がけて、事務職で数年間、異動を希望しながら待っていることを基本に占うとよいでしょう。また、社会人の場合は、転職でいきなり秘書を目指すというよりも、現職で秘書を目指せるかを占った後に、無理なら将来性のあるほかの会社に転職して数年末コースを描くのが基本スタンスといえましょう。
若い女性の仕事? 秘書の年齢層と性別
秘書という仕事は、重役からの指名によってキャリアがスタートするという性質上、どうしても若い女性が選ばれやすい傾向があります。中高年の男性エグゼクティブからすれば、自分とは年齢も性別も違う感性を取り入れたいという言い分、もしくは言い訳がありますし、女性上司も男子禁制の話ができる女性の方が信頼できるという場合もあるようです。その結果として、秘書に指名されるのは若くて容姿の優れた女性に集中するわけです。
しかし、実際に秘書としてのキャリアをスタートさせることができたなら、その先は若さだけが武器になるわけではありません。その後は年齢を重ねてキャリアを重ねていくなかで、それに見合った需要が生じます。40代~60代まで幅広い年齢層の秘書が実際に活躍しています。
秘書全体では女性が9割を占めているのではないかという位に女性が多い職種ですが、議員秘書という世界に限っては、そのほとんどが男性であるそうです。有名な鈴木宗男さんも議員秘書出身の政治家です。秘書としての仕事全体に共通することですが、偉い人の元で仕事を学ぶことで、独自の人脈を作って将来に生かすことも、秘書という仕事のメリットなのです。
勤務時間やプライベートは?
秘書の仕事時間は、つく上司によって様々で一概には言えません。ただ、定時上がりの安定的な仕事ではないことだけは確かなようです。上司の予定によってはどうしても、休日返上で会食などに付き合わなければならないこともあるそうです。また、上司によってはプライベートな用事も秘書に頼む人がいることも事実だそうです。もちろん、本来の業務の範囲でない場合には断るのが筋でしょうが、実際にはある程度の覚悟が必要な場面もあるとのことです。
秘書に向いている性質や状況は?
秘書の仕事に必要な能力として、第一にあげられるのは処理能力の高さです。役員秘書の場合は、特に重要な秘書の仕事は「上司の時間を確保すること」です。秘書が手際よく先回りして上司の雑務を代行することで、上司の本来の仕事である経営に割く時間を十分にとることこそが主たる任務なのですから、素早く仕事ができることは秘書としての必要条件です。また、秘密を守る口の堅さや高いコミュニケーション力も必要不可欠とされています。近年では語学力の高さも秘書の基本スキルとして求められています。秘書という仕事に就いているというのは、かなり優秀であることの証拠といえましょう。