一電話占い師の日乗 2020年6月後半

  尊敬する私小説作家の日乗を真似て、電話占い師としての日々の生活を記します。通常業務の日は、朝の9時から13時まで電話占いで仕事をして、その後4時間の休憩を取って、17時から21時まで働いています。この日記は、その4時間の出来事と夜の慎ましやかな晩酌が主題です。

一電話占い師の日乗

6月16日(火)
 待機なし。朝になってもやはり歯が痛い。これは、コロナ騒動の直前に、治療の予約をしていた小さな虫歯が、かかる騒動によって診察の延期を余儀なくされたことによって重症化したものと推察される。朝からロキソニンを飲む。該当薬は空腹時に飲むことは推奨されていないが、その空腹を埋めるために歯の痛みを鎮めたいのであるから、この仕様は欠陥と言わざるを得ない。

6月17日(水)
 通常業務。仕事の隙間に歯医者へ。かかる情勢を考慮して普段通うところではなく、最寄りの歯科医院をチョイス。はっきり言って歯科医師は当たり外れが大きい。その当たり外れを予測するには、歯科医師の出身大学はかなりの参考になる事が解ってきた。何せ偏差値の低い方の歯学科では、理系の偏差値が高いことを勘案しても、我が母校の史学科より入試難易度は低いことになる。酒にまみれた赤ら顔の学友を思い浮かべれば、歯など直せるはずがないことは明瞭なのだ。今回の選択は国立出身の開業医なのでやや安心。

6月18日(木)
 通常業務。プロモーション関連のコンサルタントからのコンタクトに応じて、説明を聞く約束をしていたが、時間になっても相手から連絡無し。このところ運気が乱れているのか、amazonの商品誤配送など、ちょこちょことトラブルが生じる。これは必ずや開運の兆しである。

6月19日(金)
 待機なし。昔なじみの占い業界の友人とランチへ。カレーを食べる。美味。帰宅後はずっと企画構想。次回の出版を目指して各種のアイディアをまとめて企画書と見本原稿に仕上げる。かなり時間のかかる作業ではあるが、これが一番好きな仕事である。夜半までかけて企画書を完成させる。

6月20日(土)
 通常業務。昼過ぎまで企画書を再読。その後は、原稿執筆。お金カレンダーを執筆するために、各種の暦や天体の運行などを細かく分析する。これはなかなか骨の折れる作業ではあるが、ある意味では私の生活の中で最も占い師らしい作業なのかもしれない。

6月21日(日)
 通常業務。このところの過集中の影響で山積を余儀なくされていた各種の細かな連絡業務などをこなす。またSNSへのアップも並行して行うなど、細かく多忙な一日。終日有意義ながら利益の薄い一日。

6月22日(月)
 通常業務。終日多忙。各種の調べ物や資料作り、コンサル業務を行う。その他原稿執筆などであっという間に夜。

6月23日(火)
 待機なし。朝から各種原稿を執筆。夕方から金曜日にあった占い仲間と、今度は仕事の打ち合わせ。その後、彼のご友人たちとの食事会にも参加させてもらい、交友関係の幅を広げる。優秀な弁護士さんやウェブ編集者さんなどと知り合うことが出来た。

6月24日(水)
 通常業務。来たるべく講座に備えて台本を作り始める。今度はタロット特別講座なので、かなり熱心に準備する必要がある。夜はサンドイッチマン伊達さんのせいで天丼を食べる。この前カツ丼を食べたのと同じ蕎麦屋のテイクアウト。

6月25日(木)
 通常業務。講座の準備を順調に進める。各種の業務連絡や執筆などをやりつつゆったりマイペースに事が運ぶ。講座の内容に関する全体のストーリーが完成。

6月26日(金)
 待機なし。花を買いにお出かけ。あまりの暑さにへたりそうになる。各種コンサルの連絡などを行いつつ、非常に忙しい一日を過ごす。

6月27日(土)
 通常業務。コンサル生のためにモニター様の募集をかけたところ、あっという間に多数の人からのご連絡をいただく。人のご縁の深さに感謝。講座の準備もはかどる。

6月28日(日)
 通常業務。この秋に、芸能プロダクションであるタイタンが開講するカルチャーコースの説明会に参加。この先の時代を行く抜くためにエンターテインメントを学びたいと発心したものである。面接試験があるとのことだが、無事に合格を果たしたなら学習を深めたいところ。

6月29日(月)
 通常業務。打ち合わせを一件こなしつつ、タイタンの学校に応募するための履歴書を書く。占い関連以外の仕事をしたことがない私にとっては新鮮な経験。念のため鉛筆で下書きをしてからペン入れをしたところ、消しゴムとともに名前が伸びた。浮世絵インクの北斎濃藍は素晴らしい発色であるが、少し乾きにくい傾向があるらしい。

6月30日(火)
 待機なし。休みに限りなく近いのんびりした一日を目指すも、講座の準備をやりたくなる。結句、講座の立ち稽古をするつもりだったが、せっかくだからスライドショーを作ってビデオに撮影しながら練習することにした。もちろん、アルカノンセミナーズ様での講演が目的であるからして、これを商用利用することはないのだが、コンサル生に聞いてもらうくらいの事は罰が当たるまいと思ってのこと。

五十六謀星もっちぃ

10代の頃から占い一筋に生きる職業占い師。老舗の占い館の史上最年少占い師などを経て、現在は占い師養成講座を主催。延べ5万人を鑑定。占い師の採用試験の実技審査員を400件以上担当。テレビや雑誌などメディア出演多数。著書に『1日2時間で月10万円 はじめよう 電話占い師』(同文舘出版)がある。

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