インド占星術について

インド占星術とは何か

実際の星を使った本格的な星占い

 インド占星術とは、文字通りインドを中心に発展した生年月日の占いで、実際の星の動きを使って占います。命卜相でいえば命術に相当します。生年月日からその日の天体の位置関係を算出してチャートを作図しますが、正確に計算するためにパソコンを使用してチャートを作成するのが一般的です。チャートは北インド式と南インド式、そして東インド式の三種類が知られています。それぞれに一長一短があり、それぞれの好みや用途によって使い分けられるようです。

 実際の天体の位置関係を判断材料にするという点が、西洋占星術とよく似ていますが、実際にその発祥の段階から深い関連性があるようです。詳しくは後述しますが、西洋占星術とインド占星術は兄弟のような占いです。

インドの思想の影響をふんだんに受けた占い

 インド占星術は、その発展の歴史の中で、インド固有の様々な思想や哲学、宗教の影響を受けてきました。占術としてのインド占星術は、こうしたインドの思想と切り離すことが出来ないものです。それ故に、独自の世界観を持った占いとして、他の占術にはない持ち味を持っています。とくにカルマや輪廻などの概念は占術の根本的なロジックを支える柱といえます。

西洋占星術との違い

 西洋占星術との根本的な違いは、インドの思想を受けた哲学的背景です。それ故に、同じように天体の運行を元にして占いをしても、出てくる答えのニュアンスはずいぶんと違ったものになります。これは、どちらかが正しいということではなく、着眼点の違いです。カルマの項目で詳しく触れますが、インド占星術は過去世を重視した占いといえますが、西洋占星術は基本的に現世のことしか扱いません。

 また、特定の分野について詳しく占うための分割図というチャートがよく使われます。占星術にも20世紀の新しい概念として似たようなものが導入されましたが、インド占星術ではより一般的に重視されています。分割図は質問に対しての具体的な答えを探るために、誕生図の一部を虫眼鏡で拡大して細かく観察するような機能を持っています。特に、結婚や恋愛を詳しく分析するナヴァムシャチャートと呼ばれるものが重要視されます。

どんなことがわかるのか

性格や才能

 あらゆる命術同様に、インド占星術でも性格やバイオリズムなど、持って生まれたものを占うことが出来ます。持って生まれた才能や経済運、健康運などを見ることができますが、特に心の問題を扱うのに長けた占術といわれています。

カルマと因果応報

 インド占星術を理解するためには、カルマと因果応報という二つの概念を理解する必要があります。カルマとは、簡単に言えば過去の行動のことです。日本語では業(ごう)と呼ばれるています。因果応報とは、過去の行いによって現在の幸不幸が決まり、また現在の行いによって未来の幸不幸が決まるという考え方です。

 インド占星術は、過去の行動であるカルマを知ることで、因果応報の理論に従って未来を知ることができるという哲学を背景にした占いといえます。

過去世のカルマと来世のカルマ

 インドでは輪廻転生が信じられているため、今生だけではなく、過去世(前世やさらにその前の前世)のカルマも占いの対象にします。その過去世でのカルマはサンチッタカルマと呼ばれます。そのサンチッタカルマのうちで、今世のうちにその因果応報を受けなければいけないものを プララブダカルマといいます。 平たくいえば、前世で欲をかきすぎたから今世ではお金で苦労するというようなものです。 これは今世における宿命のようなものと解釈されます。

 そして、今生の行いによって作り上げることができるカルマをクリヤマナカルマといい、最も重視します。良いクリヤマナカルマをたくさん作り上げることで、良い未来を作ろうとするのがインド占星術における開運の考え方です。そうして来世に引き継がれるカルマはアーガミカルマと呼ばれています。

 これらのカルマを専門的に扱うことが、インド占星術の最大の特徴ともいえます。前世がどのようなものであったかを生年月日から判断する数少ない占いの一つであるともいえます。

インド占星術の歴史

古代バビロニア生まれの占星術にルーツ

 精密科学に関する歴史の研究家として名高いノイゲバウアー氏は、『古代の精密科学』(1999年 恒星社厚生閣)において、インド占星術の源流は古代バビロニアの天文学にあると示唆しています。古代バビロニアでは、驚くほど精密で正確な天体観測が行われていたことが知られています。

 この天文学と技術が、「ヒッパロスの風」と呼ばれる貿易風に乗った海上交通の発達に伴い、地中海を越えてインドに渡ったものがインド占星術になりました。また、エジプトで熟成されてギリシャ人に愛好されたものが西洋占星術として今日に伝わる占いの源流です。このあたりの、占星術の文化的な広がりの歴史については、 矢野道雄氏による『星占いの文化交流史』( 2004/11 勁草書房 )に非常に詳しく、そして面白く書かれていますので、是非参考にしてください。

源氏物語にも登場? 日本の歴史にもちらつくインド占星術

 日本においても、インド占星術の存在自体は古くからちらついていたようです。中国を通して伝来した『宿曜経』という密教系の書物がありますが、実はこれが、仏典を装ったインド占星術の解説書であったと言われています。源氏物語にも「宿曜のかしこき道の人 」という文言が出てきますが、これは当時、陰陽道と競って占いとして貴族社会に宿曜占星術が浸透していたことを示しているといえましょう。

 もっとも、 『宿曜経』 に書かれているのは、その著者の不空金剛が、インド占星術について知っていることを翻案して創作した書物であるともいわれており、実際に当時のインド占星術の正式な方法を伝えるものではなかったとも考えられます。

インド占星術の初学におすすめの本

 1990年代以降、日本語で読むことが出来るインド占星術の素晴らしい本が数々出版されています。その中でも特に、本多信明氏の『基礎からはじめるインド占星術入門』(2010年説話社)は特におすすめです。非常に読みやすく、内容がするすると入ってきました。何度でも読み直したくなるような本ですので、まずはこれで基礎を固めてからインド哲学などを学んで占術を深めていくのがよいでしょう。

 インド占星術は決して簡単な占いではないので、時間をかけて学ぶことが大切です。その分マニアックに研究している愛好者も占い業界には多数います。これをレパートリーに加えると、そうした研究熱心な占い師と仲良くなることができるかもしれません。


基礎からはじめるインド占星術入門

五十六謀星もっちぃ

10代の頃から占い一筋に生きる職業占い師。老舗の占い館の史上最年少占い師などを経て、現在は占い師養成講座を主催。延べ5万人を鑑定。占い師の採用試験の実技審査員を400件以上担当。テレビや雑誌などメディア出演多数。著書に『1日2時間で月10万円 はじめよう 電話占い師』(同文舘出版)がある。

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