さまざまな業界の開業資金・独立費用とその調達方法について

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 占いを通じて仕事の相談を受ける際には、独立や開業がテーマになることは珍しくありません。そもそも占いには、経営者さんのお客様が多いものですが、これから経営者になろうという相談も少なくないのです。今回はそんな相談に役立つかもしれない「開業資金」に関する情報を集めてみました。

開業資金の基礎知識

 開業資金とは文字通り、事業を始めるために必要な資金のことです。個別の業界の開業資金の前に、一般的にどのような資金が必要になるのかを考えてみましょう。

店舗を借りる費用

 飲食店や美容室など実店舗でのビジネスを始める場合には、店舗を借りるための費用が必要になります。この費用は、アパートを借りるよりも相当に割高です。家賃が高いばかりではなく、店舗を借りる場合には保証金として6~10ヶ月分の家賃を納めるという慣例があります。これは一般でいう敷金のようなもので、一部は退去時に返還されます。

 なお、基本的には住居用の賃貸物件を商用利用することはできません。多くの人が出入りすることによる消耗もそうですし、内装や外装の変更など、建物への影響が大きいためです。また、商用の場合は固定資産税の額も住居用とは異なります。物件によっては、そもそも住居にしか使用できないという制限がかかっている場合もあります。

居抜き物件とは

 商売を始めるときに、同じ業種の店舗が撤退した後の設備をそのまま譲り受けて事業を開始することがあります。前の店舗の内装が残っている物件を居抜き物件といいます。こうした物件を利用すると開業資金を抑えることができるというメリットがあります。ただし、居抜き物件であっても、その設備を譲り受けるための「造作譲渡費」と呼ばれるお金が発生しますし、自分の店のイメージに合わせて多少のリフォームをする必要がありますので、数百万円必要な場合も珍しくありません。

会社の設立費用

 もしも、開業と同時に会社を設立する場合には、会社の設立費用も必要になります。株式会社の場合、必ずかかる費用が20万3千円で、自分で申請する場合にはそれに印紙代4万円が必要になります。専門家に依頼した場合は印紙代が不要になりますが、代わりに代理費用、もしくは設立後の顧問契約が必要になります。そのほかにも会社の印鑑は必ず必要ですので、ざっくり25万円はかかると考えておくとよいでしょう。

当面の運転資金も必要

 意外と忘れがちなことですが、開業時の費用として当面の運転資金も考慮する必要もあります。飲食店や小売店であれば仕入れの費用、美容室ならシャンプーなどの消耗品が必須です。また、経営者の当面の生活費も開業に必要な経費として考えなければなりません。即座に売り上げが上がるとは限らない中、お金がないからアルバイトに出るようではそのビジネスが成功することはあり得ません。

業態ごとの開業資金の目安

 開業資金の一般的な要素を見てきたところで、今度は業界ごとの開業資金の目安や、業態ごとの特徴などをざっと解説します。

飲食店

 飲食店の開業費用は、規模や内装のこだわり方次第でかなり幅がありますが、一般的には800万円から1200万円程度です。内訳の例としては、 物件取得費用300万円、 厨房設備に150万円、居抜きの場合の内装費用が600万円(造作譲渡費込み)、その他運転資金に150万円ほどで1200万円になります。また、ちょうどよい居抜き物件は入居希望者が多く、競争が激しくなりがちです。

 飲食店の場合は扱う商品によって、厨房設備も内装費用も大幅に変動します。一番安いのはキッチンカーと呼ばれる、ワゴン車でテイクアウトの食べ物を販売するタイプのものです。これだと150万円ほどあれば開業可能です。ただし、出店場所の競争が激しく、容易に新規参入することができないという現状があります。また、社内では加熱以外できませんので下ごしらえをするためのキッチンを別に確保する必要もあります。

美容室

 美容室の開業の場合も、飲食店同様に店の大きさによって、また設置する椅子の数によって大きく費用が異なります。仮に20坪弱くらいの店舗で開業することを想定した場合で1700万円ほどかかると考えられます。内訳は、物件取得費用300万円に、設備投資が400万円、内装費用が800万円、その他の運転資金で200万円程です。美容室の内装はそれなりにお金をかけることが一般的ですので、800万円という試算は控えめかもしれません。また、広告費にどれだけかける必要があるかによって、さらに必要な金額は変動します。

エステサロン

 以前にエステティシャンのお仕事について紹介する記事でも記述しましたたが、エステサロンを自宅に開業することで初期費用は相当に抑えることができます。その場合は100万円程度でどうにかなるでしょう。ただし、店舗を構える場合には、美容室同様に、1700万円から2000万円ほどの費用が必要になります。

コンビニエンスストア

 ピーク時ほどではないにしても、コンビニエンスストアのフランチャイズに加盟するという開業は今でも人気のスタイルです。すでに確立したブランドを利用してビジネスができるため、比較的リスクが少ない商売であるといえます。ただし、営業時間の長いコンビニの仕事を確実にこなすため、多くの場合は夫婦や親族が協力して店を運営することがフランチャイズ参加の条件になっています。

 フランチャイズに参加する場合には、加盟金と呼ばれる費用を本部に納める必要があります。コンビニチェーンの加盟金には、研修費用や宣伝費用などが含まれて、100万円から300万円とある程度幅があります。非常に簡単に言えばセブンイレブンが300万円で、ローソンが100万円です。

占い業界

 人ごとならぬ自分の業界についても考察します。これも、どれほどの店を作るかによって全然話は違うと思います。しっかりした店舗を借りて大がかりに作ればすぐに2000万円を超えるでしょうが、デパートやショッピングモールのテナントであれば、コンクリートむき出し状態から内装をやる場合で、運転資金も含めて400万円くらいです。占いは最低限テーブルさえあればよいので、居抜き物件を探せばもう少し安くなるでしょう。

 また、電話占いを開業する場合は相当に大変で、私の知る限りのざっくりした数字をあげれば、電話転送システムに1500万円、広告に1000万円、初期運転資金で500万円は用意しなければ、勝負にならないでしょう。なお現在、五十六謀星もっちぃは、それを覆す新しい業態を研究中です。ご興味のある方はご連絡ください。

開業資金調達の方法例

 開業には様々にたくさんのお金が必要ですが、これを調達するための方法を考えてみましょう。

新創業融資制度

 開業資金をすべて自分で集める人はあまりいません。とくに1000万以上のお金を自分で集める暇があったら、借金をしてでも先に事業を始めてしまう方がむしろ手堅く、賢い戦略です。開業に必要なお金を借りる際に、第一の選択肢になるのが、政府の機関である日本政策金融公庫が提供する「新創業融資制度」を利用するのが一般的です。これは、新創業の際に、無担保無保証人で利用することが可能な融資システムです。代表取締役が連帯保証人になる必要がないので、万が一会社が倒産してしまっても、代表者が自ら借金を背負う必要はないのです。

結局いくら貯めれば開業できるのか

 金融機関から融資を受ける場合に場合に、しばしば自己資金率という言葉が使われます。これは開業費用のうち、いくらが自分で貯めたお金であるかという割合のことです。この金額の多さが、銀行に対しての信頼となり、融資を受けるときに有利になります。新規で事業を始める場合に一般的に利用される新創業融資制度の場合、自己資金率10%が要件ですので、開業に必要な金額の10分の1を自分で用意することができれば、最低限の開業資金になるということです。

開業資金0という選択肢はあるか

 しばしば、開業資金0での企業という表現を見聞きしますが、そんなものは存在するのでしょうか。結論から言えば、いくつかの業種において、資金が全くと言っていいほどない状況からでも事業を興すことができます。例えばフランチャイズに参加して起業する場合などに、条件を満たせば自己資金0で参加可能な場合もあります。また、PCを使ったクラウドソーシングなどの在宅ワークにおいても、開業資金はほとんどゼロであると言ってよいでしょう。

 そして何より、我々の仕事である占い師の仕事も、店舗や会社を持とうとしなければ開業資金はゼロです。宣伝じみた話になってしまって申し訳ありません(笑)が、拙著の帯に「開業資金ゼロ」と書いてあります。ブログには書ききれないお役立ち情報が満載です。

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