この夏、長崎バイオパークという動物園でカバがスイカを丸ごと食べる動画が、世界中で大ヒットしました。以前にもブログのアイキャッチでカバの画像を使ったことがありますが、実はこの五十六謀星もっちぃ、カバが結構好きです。今回は、カバと占いの関わりについてまとめてみました。
カバの占い~夢占いにおけるカバ
占いの世界では、カバというモチーフはどのように扱われているのか調べましたが、実はほとんど見つかりませんでした。動物占いの類いでもカバはリストアップされていませんでした。スピズムさんにあるラブ・アニマル占いにはカバがいますが、これは占いの歴史という視点では少し弱いので割愛させていただきます。そうはいっても夢占いにおけるカバは示唆に富んだ面白い要素であると思いましたので紹介します。
夢占いにおけるカバの基本的な意味
カバは、一般的にのんびりした動物と考えられることもありますが、実際には相当に勇猛果敢な動物です。それ故に、たくましく強い男性性や力強さなどと関連して解釈されます。また、これはカバの間抜けな要望から来ていることなのかもしれませんが、カバという存在がコンプレックスの象徴として扱われることもあります。もしも夢の中で、自分自身がカバになっていたとするならば、その占いとしては、自分に対しての自信の欠如、あるいは要望に対する不安であると解釈されます。
カバが夢に出た場合の恋愛運
女性がカバの夢を見た場合、夢占いが示す答えは恋愛運の向上であると考えられています。特に出会いを求める女性が夢の中でカバに乗っていた場合、素晴らしく頼りがいがある男性と出会うことができるだろうという解釈をします。また、後述するエジプトの神の暗示から、出産や妊娠に関する吉兆と捉えることもできるでしょう。
カバが夢に出た場合の仕事運
カバは非常に力強い動物であり、食欲も旺盛です。そのため仕事における暗示としては、社会的な成果を上げること、多くを稼ぎ多くを使うキャッシュフローの多い生活などと結びつけられます。カバが夢に出てきたなら、その人の仕事はうまくいく流れにあると考えてよいでしょう。ただし、乾燥したオフィスや砂漠など、水のないところにいるカバを見た場合には、それは悪い暗示であるかもしれません。カバは乾燥に弱い動物です。乾燥した場所にいるカバは、その力を発揮することなく傷ついてしまう暗示といえます。
カバはナイル川流域で神聖視されていた?
古代エジプト人にとって、ナイル川に暮らす生き物の中でも、カバは特に獰猛で恐ろしい存在でした。のんびりとした見た目に反して、カバは縄張りを守るためにワニやライオンに襲いかかることもあるそうです。ナイル川流域に暮らした一部の民族は、カバがライオン以上に勇敢な動物であると信じいたそうです。
重要な民間信仰タウエレト
古代エジプト人は、雌のカバの姿をした神を崇拝していました。出産と家庭を司るタウエレトという神がそれです。カバの頭部と妊婦の乳房、ライオンの足にワニの背中で構成された、非常にユーモラスで愛くるしい姿をしています。タウエレトはエジプトの人々に深く愛され、多くの日用品にそのモチーフが使われました。特にミルクを入れる壺など出産に関連するものには重宝されていたそうです。ただし、動物としてのカバが神聖視されていたわけではないようで、カバをまつった神殿などは見られません。庶民の間で人気者だっただけなのかもしれません。
カバの牙で作った魔法の杖
カバの牙を使って作られた「誕生の杖」と呼ばれる魔術の道具も発掘されています。この杖には、両面に女性と子供を守るための文言が刻まれています。看護師がこの魔法の杖を持っている絵が現存しており、子供が生まれた際の儀式に利用されたと考えられています。出産を司る神であるカバの力を借りて、母子の健康を祈願したのでしょう。
葬儀においても重要な役割を担うカバ
出産に強く関連付けられたカバではありますが、実は全くの逆サイドである、葬儀にもカバが関連付けられている例が見つかっています。これは、死語の再生へのプロセスにおいて、誕生の神であるタウエレトの力が役立つと考えられていたからであると推測されます。
まとめ~象意としてのカバ
占いの世界におけるカバの象意としては、男性性と女性性の両方があると考えることができそうです。動物としてのカバがもつ、ライオンにも勝る獰猛さという男性性は、カバの象意として外すわけにはいかないテーマであると考えられます。そして、エジプトの神話における母子を守る存在としてのカバも重要な意味を持っています。しかし困ったことに、実際のカバはライバルである雄の子供を殺すこともあるそうです。カバというシンボルをどう解釈するかは難しいところですが、のんびりして見えるのにたくましく、出産の神とあがめられながら子殺しをする。そういった二面性こそ、カバの持っている象意といえるのかもしれません。