こういうテーマは、占い師の側から話題に出すのは筋違いなことではあるかと思いますが、占い師にとってはまさに死活問題であるこのテーマに触れることは必定であると考えます。どうか生意気だと思わないでください。占いの客層を上げるというのは、詰まるところ、激しいクレーマーのようなお客様や、占い師をいたずらに消耗させるだけのお客様を避けて、正当に占いという文化を求めるお客様に対して適切なサービスを提供するための考え方なのです。
タイプ別!困ったお客様を占うデメリット
昭和の時代の「お客様は神様」という神話を引きずっているわけではないでしょうが、どうしてもお客様を選ぶということに対しての抵抗感を感じてしまう人もいるでしょう。もちろん、一日座っていてもお客様が来ないような状況では、お客様を選ぶ余裕がないということもあり得ます。しかし、ある程度、信任してくれるお客様がついているなら、マイナスになるお客様をお断りすることも、占い師にとっては重要なリスクヘッジです。ここでは、困ったお客様のタイプ別に、そうしたお客様を鑑定することのデメリットを説明します。
占いに否定的な人
これは言うまでもないことですが、相手にするべきではありません。占いを小馬鹿にした態度で、占いをからかいに来るような人は断固断りましょう。ある程度の料金を取っていれば冷やかし気分でやってくる人もいなくなりますが、世の中には変わった人もいるものです。
ただし、観光地やイベントなどでは、少しお酒を召して気分が大きくなった男性が、からかい半分で占いを受けて、あまりの的中に瞠目して帰ることもあります。そういう人は末永く占いのファンになってくれることもあります。占いの腕試しをしつつ、プロとしてファンの裾野を広げる活動に協力してみようと考える心の余力がある日なら、相手をするのも一興です。
完全な的中を強く求める人
占いというサービスの特性上、ある程度の的中を期待されることは当然ですし、占い師はそれに答える必要もあります。しかしながら、中には吐き出す言葉のすべてに的中を求めるような過激なお客様もいます。また、占いで鑑定するには細かすぎるような、かなりの精度を要する占いを求める方もいらっしゃいます。
こうしたお客様に対応することは、占い師が疲れるだけではなく、占いの萎縮を引き起こしてしまうリスクがあります。つまり、当たらなければならないと思って大胆な鑑定ができなくなる恐れがあるのです。これは深刻な問題で、こうしたお客様に対応していると、知らず知らずに占いの質が低下してしまうのです。ですから、過剰な的中要求をするお客様には、早めにNoを突きつけることが大切です。また、鑑定の精度に自信が持てない質問には、無理をして答える必要なないでしょう。無理に答えると理不尽なクレームを生む元になるかもしれません。
占いに八つ当たりをする人
自分の人生がうまくいかないことを占いのせいにしてしまう人も、残念ながら存在します。占い師の誤りによって善導できなかった話であるならまだしも、八つ当たりをする方のほとんどは、占い師のアドバイスとは違う行動をとった結果、八つ当たりを要する状況に陥るものです。これもいちいち対応していたらキリのない話ですし、ネットで文句を書き込まないとも限りません。こうしたお客様には、早い段階で占いの指示に従わずに招いた不幸であることを的確に伝え、今後の鑑定を断ることが大切です。「次は従うからどうすればよいですか」と食い下がる可能性が高いですが、それに応じてしまうと上述の過剰な的中を求めるお客様に変化してしまう恐れもありますので、きっぱり断ることが大切です。
ネガティブでしつこいお客様
こうしたお客様は、占い師によっては善導の対象であり、なんとか救われる道を探したいと考えることもあるでしょう。ネガティブなお客様を断った方がよいのは、そのネガティブさに引っ張られて、占いを続けることが困難になる場合のみです。最終的には、ネガティブなお客様と向き合いつつも心の距離をとることができれば理想的なことではありますが、それでは鑑定の質が変わってしまう先生もいると思います。占い師としてのテーマに反する鑑定をしなければ対処できないなら、それは避けるべきお客様であるといえます。
不適切なテーマの占いを求める人
人の生死や犯罪に関すること、ギャンブルに関することなどの占いを要求する方も困ったものです。これは、電話占いサイトの所属であれば、ほとんどのサイトにおいて利用規約によって禁止されているでしょうから、そのルールに従って鑑定を断るのがよろしいと思います。もっとも、普段から信頼していろいろと相談してださるお客様が、たまたま直面した問題として不適切なテーマの質問に触れることもあります。そうした場合には、不適切なテーマの質問だけを取り下げてもらうのがよろしいでしょう。個人で集客して占いを行っている方におかれましても、なるべく利用規約を作り、不適切な質問を受け付けないことを明言することが望ましいといえましょう。
客層をあげるためにはどうすればよいのか
通常の占いの仕事をするに当たって、前述のようなお客様は、相対的には極めて少数派であると申し上げてよいでしょう。しかし中には、こうしたお客様を吸い寄せるかのごとくに集めてしまう占い師さんも存在します。これはどうしたものでしょう。解決の方法を私なりに提案してみたいと思います。
すべてを受容するようなプロフィールを作らない
プロフィールの中で、「どんな人にも救いをさずけます」とか「絶対的な霊視能力で問題を解決します」などと書いていると、どうしても困ったお客さがよってくる可能性は高くなってしまいます。困ったお客様も、基本的には占いファンであることには変わりありません。そしてその多くは、すでに他の占い師さんに断られた経験を持っています。そうした事情もあって、自分のことを受容して相談に乗ってくれそうな占い師を探しているのです。プロフィールの内容をやや控えめにして、自分の求めるお客様の層に響くような文章を意識して書くことで、客層の向上を図ることができます。
危険な人を相手にしないようにする
占いをしていれば危険を感じるお客様に巡り会うこともあります。そうしたお客様に対して、無理に鑑定をひねり出していれば自然とそういうお客様がまた集まるようになってしまいます。サイトに所属している場合は、そういった事情を説明してNG扱いにしてもらうのがよいでしょう。サイトがそれを受け入れてくれないなら、そこは移籍するべきです。自分で個人的に運営している場合にも、お客様だからと無理に大切にしすぎずに、ほどよくお断りすることが大切です。返金処理をすることになったとしても、それにかかる手間と振り込み費用くらいは、お祓いの経費だと思って支払うのが安全に占い師の仕事を続けるためには必要なことであるといえましょう。
自分自身のマインドを高く保つ
最後に、これが最も重要なことであるかもしれません。占い師にとって、お客様が来るかどうかのほとんどすべては占い師のマインドによって決まります。ご自分が元気で幸せで楽しく占いをしていれば、お客様はやってきますし、そういうときは明るくて上質なお客様が来訪するものなのです。それは楽しい日々をSNSでアップしているかどうかの問題ではありません。純粋に自分自身の心が明るくなることが大切なのです。心に後ろ暗いことがあったり、ネガティブな思考ばかりを持っていると、そういうときに限って困ったお客様が増えてしまいます。幸せいっぱいに占いを続けることが売り上げの向上はもちろん、客層の向上にも大きく貢献してくれます。
拙著のご案内
同文舘出版より、私の著書『1日2時間で月10万円 はじめよう 電話占い師』が発売されました。
延べ5万人を占った現役占い師にして、400件の占い師採用試験の実技審査を担当した著者が、占いをお仕事にする方法や、勉強の仕方、そして占い師というお仕事の世界を詳しく解説したビジネス書です。amazonで立ち読みできます。
これから占いを始める人にとってはもちろん、すでに占いの現場にいる人にとっても、極めて役立つ電話占いの情報や、占いのお客様との具体的な関係構築など、精神論以外のロジカルな部分も含めて、深く切り込んだ情報を惜しみなく書き込みました。弁護士監修の占い師と法律の知識など、他では見られない情報が満載です。
全国の書店や各種オンライン書店、amazon様にて好評発売中です!