占い師は占いの専門家ですので、相談者よりも占いに詳しい知識を持っているのは当然のことです。占い師とお客様の間での知識の差は、時として想像よりも激しいことがあります。それを正しく理解することによって、さらによい占いのサービスを提案できる可能性があります。
占いに関する基礎知識は意外と浸透していない
占い師を生業としている人からすれば、命卜相のそれぞれがどのような特徴を持っているかは、朝飯前に理解していることです。自分にとって道の占術であっても、命卜相のいずれに該当するどのような占術かを聞けば、何がわかるかはざっと理解できます。
こういった知識は占いのお客様にはほとんどありません。占いの世界に長くいるとうっかりしがちなことですが、お客様はタロット占いでどんなことがわかるかをあまり理解していないことも全く珍しくないことなのです。
「心にある質問」を聞いていいのかどうかわからない
占い師の持っている占術でどのようなことがわかるかを正しく理解しないと、どのような質問を投げかけていいのかわからないということも起こります。例えばタロット占いでは、人の気持ちや状況などを占うことがでいるのですが、「職場の同僚の結婚運」などといった、その場にいない全くの他人のことも占うことができると知っているお客様は果たしてどれくらいいるでしょう。お客様からすると、占いでわからないかもしれないと思って質問を飲み込んでしまうことは多々あるようです。
占術で何がわかるかを知らせることで広がる質問
自分のレパートリーの占術でどのようなことがわかるかを適切に説明することによって、新たな需要が喚起されることもあります。例えば、デカンビチュア占星術などと呼ばれる、病気の床に臥した瞬間のホロスコープから病気の予後を読む占いがあることを知れば、相談者は聞きたいことをも出すかもしれないのです。一生懸命に学んだ占いは、その使い方と効果を適切に知らせることによって、活躍の場を得ることができるのです。
お客様からの占術指定という問題
特に観光地などで対面鑑定の仕事をしているときに感じることですが、お客様の中には占術を指定して占いを依頼していらっしゃる方もいます。もちろん、そういった人の中にはコアな占いファンもいて、相談内容に適した占いを指定してくる方もいらっしゃいます。
しかしながら、例えば手相占いに興味を持っていて手相を見てもらいたいけれど、知りたいことは彼氏との相性という場合もあります。その場に2人分の手相があれば占うことも出来ますが、自分の手相だけで今の相手との相性を見てくれと依頼されると、占い師は困ってしまうのです。
こういった場合に対応するべく手段として、最初から占術の指定は認めず、プロの経験と知識で適した占術を使って占いをすると伝えてしまうのも手段かもしれません。少なくとも私は、電話占いにおいては、占術の指定は受け付けないスタンスでやっています。
的中の難しさとお客様の驚きのギャップ
占いに的中の驚きはつきものです。やっぱり占いをしていて、「すごいやぁ!驚いたな」と言われる瞬間はうれしいものです。さて、これにつきましても、占い師にとって当てるのが難しいものと、お客様から見たときにすごいと思えるものとの間には格差があります。
驚きを生みやすい的中
時期予測や人の性格や気持ちに関する占いは、占いの難易度の割にはお客様がおとても驚いてくれるように思います。時期予測については、もちろんぴったり当てることは難しいことではありますが、占星術などの占いを的確に精密にひもとけば、ことのほか簡単に当てることができるものであると思います。人の性格や気持ちも、占いのテーマとしては比較的一般的です。これらの相談内容は需要も多いので、占い師になるにはこれを磨くことが最短ルートともいえましょう。
驚かれにくいけれど本当は難しい占い
逆に、人の既婚状況や恋人のあるなしなどといったことは、占いで見ることの難しさと比べて的中の驚きが少ないように感じられます。お客様からすれば、相手に恋人がいるかどうかくらいわからないとどうしようもないことに思えるかもしれませんが、占いのテーマとする場合には、その人が恋人のことを本当に愛しているかどうかや、関係性の善し悪しによって出てくる答えが全然違うものになってしまうのです。こういう意味で、なかなかに難しいところがあります。