低気圧による頭痛や体の痛みを、天気痛といいます。どういうわけか、占いのお客様や占い師の皆様におかれましては、天気痛を発症しやすい人が多いように思います。また、低気圧の影響で気力が出なかったり、眠気に襲われたりするのも、天気痛とつながった概念であるそうです。かくいう五十六謀星もっちぃも気圧が下がると眠くなる「低気圧男子」です。最近、この分野についての2冊の本を読んだので、その内容を占い師に役立つ情報としてまとめたいと思います。
低気圧の影響が体に出る仕組み
気圧とは、文字通り空気の重さのことです。ぷかぷか浮いていて軽そうな空気ですが、意外とどっしり重さがあります。人間の体はその重さの元で安定するようにできています。しかし逆に、空気が軽くなる、つまり気圧が下がってしまうと、体調に影響が出てしまう人がいるのです。
天候と死亡に関する研究
医師の安井豊氏が気象学会で発表した論文によれば、気圧と人の死亡率には、有意な相関関係があるようです。低気圧で気温が高いときには、死亡する人が偶然のばらつきを超えて多くなります。卒中と老衰の場合には特に顕著にその傾向が現れます。逆に癌などの病気においてはそれほど大きな影響はないそうです。これは、酸素が不足することによる影響ではないかと安井氏は推察していますが、実際のところ、低気圧と死亡の関連性については、その理由が明白にはなっていません。
内耳が繊細すぎることが最大の問題
我々は内耳にあるセンサーで気圧の変化をキャッチします。低気圧によって体調を崩す人は、実はこの内耳のセンサーが敏感すぎることに原因があるのではないかと考えられています。そもそも内耳には、平衡感覚を感知する機能など、様々に外部の状況を監視する機能が搭載されています。内耳が敏感な人は乗物酔いなども起こしやすいそうです。また、内耳の影響で発生する天気痛は、しばしばめまいを伴うこともあるようです。
低気圧女子は空気の動きを感じる力が強い
内耳の機能が鋭敏で気圧による影響を受けやすい人の中には、東南アジアなど遠くで発生した台風を体で感じることができるそうです。それほどに敏感な内耳を持っていることと占いとどのような関係があるかわかりませんが、私の体感では無関係ではないように思います。占いに必要な感性の鋭い人は、何らかの感覚が非常に鋭敏であることが多いものです。とりわけ勘の鋭い占い師さんの中には、内耳によって引き起こされるめまい持ちの方が非常に多くいらっしゃるように思います。
低気圧に立ち向かう方法
天気痛は比較的新しい病気であり、まだ一般的な治療法が確立されていないそうです。天気痛の名付け親は『「低気圧頭痛」は治せる!』の著者で「天気痛ドクター」の名前で知られる、佐藤純氏です。これはまだ新しい概念であり、佐藤氏の「天気痛外来」を除けば、他に専門の医療機関もないそうです。そのため、低気圧に立ち向かうための基本的なスタンスは西洋医学に頼らずに頑張ることが基本になるでしょう。
天気痛を抑える方法
まず、佐藤純氏の提唱する方法は、耳を引っ張ってくるくる回すマッサージを一日三回することです。ざっくりいえば、耳を前後左右に5秒ずつ引っ張ってくるくる回すようなマッサージです。前出の本にはそのやり方が図入りで説明されていました。また『天気が悪いとカラダもココロも絶不調 低気圧女子の処方せん』によれば、片頭痛の場合と頭をぎゅっと締め付けられる頭痛の場合とで対処方法が違うそうです。ぐずつく天気と気温の上昇によってもたらされる片頭痛に対しては、こめかみを冷やすことや、カフェインを摂取することなどが有効です。また、ストレスによって引き起こされる頭が締め付けられる緊張型頭痛には、軽い運動やのんびした入浴、そしてアロマなどによってストレスを手放すことが効果的とのことです。
気圧に負けない体を作る
低気圧による諸症状の理由の一部には、自律神経の乱れもあります。自律神経を強力に育て上げることができれば、少々の低気圧には負けない体を作ることができるそうです。自律神経を強くするための基本は、規則正しい生活ですが、他にもツボの刺激や漢方の利用、呼吸法や運動などによって状態をよくすることができます。前出の佐藤氏は、気圧の変化に負けない自律神経に効くツボを刺激する「天気痛ブレス」なるバンドを開発販売しています。
めまいの薬や酔い止めが効果を発揮することもある
佐藤氏によれば、内耳が敏感すぎることから引き起こされる天気痛には、めまいの薬や酔い止めが効果を発揮することがあるそうです。これらの症状も、天気痛と同様に内耳の敏感さから発せられるものである可能性が高いために効果があるのだろうと佐藤氏は推測します。とくにめまい薬は、シンプルな痛みにはたちどころに効果が現れることもあります。ただ、現状では天気痛を理由にめまい薬を処方してもらうことは難しいため、酔い止めでそれを代用するという選択を佐藤氏は推奨しています。しかしながら、天気痛の原因が必ずしも内耳の問題とは限らないため、効果が出ない場合には服薬を続けない方がいいとも記されています。
*薬の効用については、医師である佐藤氏の著作を参考に記述したのみです。詳しくは氏の著作を当たるか、専門医の診断を受けて判断することをおすすめします。
困ったときは高気圧な場所で過ごす
どうしても低気圧の苦しみから逃れることができない人におかれましては、最終的な解決策として気圧の安定したところで過ごすしかないそうです。高気圧の環境にいると、人は不安が解消されて元気になることがわかっています。ドイツでは、こうした療法がすでに取り入れられていて、3週間ほど保養地で過ごして健康を回復する治療が健康保険の対象にもなっています。
まとめ
敏感な内耳や不安定な自律神経を持っている人は、低気圧の影響を受けやすいといえましょう。古傷が痛んだり、頭痛がしたり、もしくは単に眠たくなったり気力がなくなったり、低気圧は様々な体調不良を連れてきます。こうした低気圧に対抗する力を身につけて時間を有効に使うことができれば、とても生産性の高い占い師になることができるのではないかと思い、五十六謀星もっちぃも頑張ろうと思います。
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