占い師のワーカーホリック! 働きすぎる占い師のセーフとアウトの分岐点!

 基本的に、占い師という仕事を選ぶ人は、占いをすることが好きでこの仕事を選んでいるのだと思います。もちろん、人が占い師になるには様々な事情がありましょうから、例外もいるでしょう。ですが。基本的に占い師という仕事は、やりがい探求の結果たどり着く自己実現系の仕事であると五十六謀星もっちぃは信じています。今回のテーマは、そのやりがい探求故のやり過ぎ、仕事に対しての中毒症状について書いてみます。

ワーカーホリックのおさらい

 ワーカーホリックとは、一言で言えば仕事をしないと気が済まなくなってしまう仕事中毒の状態を指す言葉です。仕事をすることに対して依存している状態といってもよいかもしれません。とにかく働かなければならないという脅迫的な気持ちにさいなまれているなら、それはワーカーホリックの状態にあるといえましょう。

意外と古くからあるワーカーホリックの概念

 ワーカーホリックという言葉が定義されたのは、1972年に発売されたウェイン・オーツ氏の『ワーカホリック―働き中毒患者の告白 (1972年)』という本においてです。この本の中で、「仕事に耽溺している状態」をワーキングホリックと定義しています。今日使われているワーキングホリックという言葉の意味からすると、少し物足りない定義ではありますが、ずいぶんと前から仕事中毒という概念が存在していたことがわかります。

単なる長時間労働とは違う

 ワーカーホリックとは、昔でいうところの「貧乏暇なし」のように、たくさん働かなければ食べていけない人を指している言葉ではありません。豊かな生活をするための原資は足りているにもかかわらず、ある種の依存とでもいうような感覚で仕事にのめり込んでしまう人をワーカーホリックというのです。ですから、何時間以上働いていたらワーカーホリックであるというような数値的な考え方をすることは無意味であるといえます。

感情的基準

 ワーカーホリックの特徴の一つとして、仕事のスイッチを切ることができないというものがあります。プライベートの時間であっても、メールのチェックをしてしまうことがやめられず、常に仕事のことが頭から抜けないなら、それは立派なワーカーホリックの症状といえましょう。

ワーカーホリックの原因

 ワーカーホリックの原因は、実は外的環境よりも内的環境、すなわちその人自身の性格によるところが大きいとされています。関連付けられている性格としては、生真面目で、負けず嫌い、そして何よりも、物事に依存しやすい傾向を持っている人であるとされています。

占い師のワーカーホリックの傾向と対策

 占い師という仕事とワーカーホリックの関係性を見ていきましょう。私は、占い師という仕事は、うっかりするとワーカーホリックに陥りやすい危険性を持っている職業であると考えています。働き過ぎで体調を崩さないように、しっかりと自己防衛することも、長く続けられる占い師になるには必要不可欠であると思います。

努力の成果が顕著に出る仕事は依存しやすい

 占い師という仕事は、その成果が非常に顕著に表示される職種であるといえます。頑張って仕事をすれば、お客様からの評価を得て、リピーターを獲得して数字が上がっていくことを、すぐに体感することができます。もしも睡眠時間を削って深夜を含む長時間の待機を行えば、お客様はさらに満足してくれるでしょう。時間を割いて長文のメールのやりとりなどのサービスに付き合えば、さらに評価されます。この評価されることに強い快感を覚えてしまえば、占い師の仕事時間はどんどん長くなってしまいます。占い師は個人事業主ですので、労働基準法の制限を受けませんし、電話占いは24時間営業です。それ故にも自己管理が必要不可欠なのです。

頼られることによって休めなくなる

 お客様が頼ってくださることも、占い師のワーカーホリックの原因の一つであることは確かといえましょう。人は、社会からその役割を求められることによって、その役割に対しての依存心を強める傾向があるとされています。例えば、2019年にWHOが疾病に認定したゲーム中毒についても、オンラインゲーム上の人間関係の中で、攻撃役や回復役などの役割が与えられることが、ゲームに対する依存度を深めているとされています。占いの仕事においても、自分がいなければ、そのお客様が困ったことになると思うことは、疲れることである反面、どうしようもなくうれしいことでもあるのです。その役割の強烈な快感に支配されてしまうと、占いをすることへの依存が強くなってしまいます。

アウトとセーフの境界線

 仕事中毒になることは、その健康を害する恐れもある深刻な問題です。しかし、一生懸命に仕事をすることが必ずしも悪いはずはありません。一般にワーカーホリックを定義づける基準の一つとして、”I have to work”すなわち「働かなくちゃ!」と思うようになれば、それはワーカーホリックであるとされます。逆に”I want to work”すなわち、「働きたい」という気持ちから喜んで仕事をしている場合は、ワーク・エンゲージメントが高い状態として好意的に受け入れられます。

 占い師においては、占いをするということに対してのストレスがなく自由を感じた状態で仕事ができているなら問題ないと考えられます。ただ、お客様から頼られていることや、リピーターが増えることに対して、渇望する気持ちが強く脅迫的に頑張ってしまうなら、それは労働時間の長短にかかわらずワーカーホリックの恐れがあります。

 占い師という仕事は、常にアンテナを広げて情報を収集し、勉強を続けて自分自身を幸せにしなければ続けられない仕事です。明日以降の仕事の精度のための時間をとることができないほどに仕事をしているなら、それは考え直すべきであるといえましょう。

五十六謀星もっちぃ

10代の頃から占い一筋に生きる職業占い師。老舗の占い館の史上最年少占い師などを経て、現在は占い師養成講座を主催。延べ5万人を鑑定。占い師の採用試験の実技審査員を400件以上担当。テレビや雑誌などメディア出演多数。著書に『1日2時間で月10万円 はじめよう 電話占い師』(同文舘出版)がある。

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