五十六謀星もっちぃの今日のブログは書籍の紹介です。本日ご紹介いたしますのは、この春に発売されていらい、ずっと気になっていた鏡リュウジ氏の本です。予兆とか前兆といったものを占いの一部に取り入れることが大好きな私としては、この本はとても役に立つ知識の宝庫です。様々な使い方ができますので、今後もしばらくは仕事机に座ったまま手に取れる場所にスタンバイです。
ざっくりした内容紹介
『決定版 幸運を招く! 鏡リュウジの予兆【サイン】事典』は、2019年3月にぴあ株式会社から発売された鏡リュウジ氏の書籍です。事典という名前がついてますが、総ページ数は175ページという薄い本です。必要な箇所を部分的に読むという事典としての使い方もできますが、全部を通読してもよいような書籍であるといえましょう。
様々な事象を「予兆」として捉える本
予兆とは、これから起こる未来を象徴する出来事のことです。黒猫が横切るといいとか悪いとか、そう言うような伝承は世界中に見られます。この本は、様々な予兆を集めて、わかりやすく現代的な文章で解説しています。学際的な正しさを追求することよりも、読みやすさと有益性を重視して書かれている感じがいたしますが、それ故にこの本は役に立つのです。
結構役に立つ知識が豊富な解説文
取り上げられている予兆は、「悪魔」や「鳩」などといった非常に伝統的なものから「ソーセージ」や「パソコン」などといった変わり種に至るまで、700個ほど解説されています。一つ一つの解説文は、100文字程度とそれほど長くないのですが、それぞれが凝った内容で読み応えがあります。例えばアスパラガスの説明においては、「アスパラガスをゆでた汁は、恋の媚薬になる」というプリニウスの説を紹介しているなど、歴史的な解説も散見されます。
なぜかジオマンシーの解説もある
本書の大部をしめるのは、あらゆる予兆の解説ではありますが、巻末ではなぜかジオマンシーの解説がなされています。西洋の占いには、ナチュラル・ディヴィネイションと呼ばれる、自然に起こったことを元にした占いと、占いたいテーマに合わせて人工的に起こした事象を元にして占うアーティフィカル・ディヴィネイションがあります。予兆の占いはナチュラル・ディヴィネイションですが、それだけでは占いたいことに対応した答えを出すことができないということで、アーティフィカル・ディヴィネイションの一つとしてジオマンシーを取り上げたそうです。確かに、この占術は一切道具を必要としませんので、この流れで扱うには適しているともいえましょう。
この本の役立つ使い方
占いのプロとしての目線で、この本をどのように使うことができるか、五十六謀星もっちぃの感じたところをお伝えしたいと思います。
小さなテーマから何かを引き出す占いとは何かが学べる
占いが紡ぐ言葉は、時として非常に小さなことから着想して、大きな話に広がっていくことが要求されます。一つのことから想像を巡らせて、そして関連する知識と結びつけていろいろに解釈をして未来を占うというのは、占い師になるには必要不可欠な話術であるといえましょう。この本には、そういう話の構成を学ぶ上でとても役に立つ切り口がいくつもあります。言葉の紡ぎ片側からない新人占い師さんにとって、この本は読んでいるだけで占いの表現というものの勉強になるといえましょう。
文章執筆のアイディア源に
文章を執筆する際に、この本をパラパラとめくっていると、書きたいことが浮かんでくることもあるかもしれません。本書の文章の引き出し方は、占いライティングの教科書のようです。もちろん、予兆そのものを文章のテーマにすることはないと思いますが、「思わぬところからコンプレックスに打ち勝つヒントが見つかりそう」や「雲に閉ざされた空なら、いったん様子を見る方が無難」といった、予兆が示す結末は、占いライティングの見本市のようです。週間占いのような、書き出す切り口に迷う文章を書くときには、この本の中に思わぬ形でのヒントが眠っていることがあるかもしれません。