『ざんねんな手相』(卯野たまご著)の感想

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 今日は、手相占い師にして漫画家であられる卯野たまご氏による手相占いの解説本を紹介します。私も手相占いは好きですが、この本は久しぶりに斬新さを感じる楽しい本でした。

手相入門書としてわかりやすい良書

線の名前が面白くて適切

 表紙の画像にもあるとおり、この本では手相の線の数々にわかりやすいオリジナルの名前をつけています。その言語センスが非常にユーモラスであり、かつ伝統的な西洋手相術の解釈によく乗っかった非常にわかりやすいものであると思います。

 ちなみに、表題に「ざんねんな」とあるとおり、本書の基本的な構造は、自分の手にある悪い線を見つけて、それを解決するための努力をしようというものです。手相は変えることができるというのは、占いの世界ではよく知られた理論です。線を変えるためのアドバイスについても、本書の言葉選びは参考になる部分があると思います。

 この本だけで手相占いのプロになることはできないでしょうが、他の本格的な理論書と付き合わせて勉強すると、「伝える力」が上昇して、さらに楽しい占いができると思います。

漫画が記憶に残りやすい

 さすが、著者が漫画家さんだけあって、線の説明の後に漫画による解説が入ります。この漫画によって線のイメージが記憶に定着しやすく、すらすらと内容が入ってきます。エピソードも具体的ですので、実際の鑑定で使うべき言葉広いをすることもできます。登場するキャラクターもかわいらしくて素敵です。

島田秀平さん以来の命名センス

 手相の線にオリジナルの名前をつける人といえば、「KY線」や「覇王線」でおなじみの島田秀平氏が有名です。私ももちろん氏の入門書は愛読しましたが、卯野たまご氏には久しぶりに、心に響く命名のセンスを見せてもらった気がします。

手相占いの進化を感じる本

取り上げる線のチョイスが現代的

 「ざんねんな」という表題があるとおり、この本が取り上げている線の半数以上はネガティブな意味を持つものです。しかしながら、そのネガティブさというのも、「ストーカー線」や「結婚しま線」(「出来ません」ではないのです)など、どことなく笑えるような、暗くならない種類のネガティブさであるという点も好印象です。これはこの本に始まったことではないのかもしれませんが、最近の占いはドンドン明るくなってきています。

 昔の手相占いの本は本当に恐ろしいことが書いてあるものです。少し古い本をひもとくと、「残酷で哀れな死を迎えるだろう」とか「苦しい生活を送ることになる」などというようなワードが満載です。私はこの原因が、大家である水野南北氏が監獄で占いを研究したことにあると思っています。いずれにしても死の禍々しさから抜け出した現代人には全くなじみません。本書のような楽しい占いこそ、現場の占い師がマスターするべきものであると信じています。

手相占いの現場で使える表現が満載

 この本で取り上げられている手相の形は、そもそも日本人の手によく見られるものが多く、実際の占いの現場で活用するチャンスがたくさんあります。

 私も修業時代に、横浜の中華街で楽しんでもらえる手相占いを目指して工夫していたことがあります。その頃にこの本があれば、私はためらいなく真似したでしょう。 極めて短い時間で楽しく読めて役に立つので、対面鑑定の占い師さんはもちろん、普段は電話のみの占い師さんにとっても、一読する価値はあると思いました。


ざんねんな手相 誰にでもあるけど変えられます!

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