電話の音量は相手にしかわからない
電話は、自分の声が相手に聞こえているかどうかを正確に確認する手段がないコミュニケーションです。サービスを提供する側である占い師は、毎日同じ道具を使って通話しているわけですから、自分の声がどの程度明瞭に聞こえるているのかを把握することは難しくありません。
しかしお客様の側はというと、毎回同じ環境で電話をかけているとは限りません。時には人通りのある道路で、またあるときは職場のトイレでこっそり通話しているかもしれないのです。
お客様の声が聞き取りにくいときに、占い師からそのことを指摘するのは少し気が引けるものです。ここでは、相手に不快な思いをさせないようにして、どうにか占いに必要なお客様の言葉を聞き取るための方法を考えていきたいと思います。
電話一般のテクニック
テレフォンオペレーターなどの電話のプロが実際に使う、電話が聞き取りにくいときの一般的なテクニックを紹介します。
自分の声を小さくする
相手の声が聞こえないとき、人は無意識に自分の声を大きくしてしまうものです。これを逆手にとって、逆に自分の声を小さくすることで相手の声を大きくすることが出来ます。これは、どちらかといえば相手の電話の持ち方が悪い場合や雑音が激しい場合に有効な戦術です。
相手のせいにせずに、やんわり指摘する
電話が聞こえない理由が明らかに相手のせいであったとしても、そのことで相手を責めるような言い方をしてしまうことはいけません。特に電話占いのお客様は繊細な方が多いので、注意を受けたと思って引け目を感じてしまう方もいます。そこで、どうしても音声が聞き取りにくいときには、「電波の状態が悪いようです」や「お電話が遠くなってしまったようです」というように、なるべくやんわりとした言い方で、切り抜けることが大切です。
占いならではのテクニック
電話一般で使えるテクニックとは別に、特に占いの特徴を生かして、電話の内容を正しく把握するためのテクニックを紹介します。一般的な電話にも応用できるかもしれませんが、電話を聞き返しながら占い師としての個性を伝えることが出来るような表現を工夫しています。
聞き取れない部分は漢字を教えてもらう
これは通話状態というよりも、滑舌などの事情で聞き取れない場合に有効な方法です。固有名詞などが聞き取れなかった場合に、その漢字を説明してくれるように促すと、わかりやすくなります。例えば「シュシュチさん」と聞こえた場合でも「ベルの鈴とツリーの木」と説明してもらえれば鈴木さんだとわかります。占いでは様々な固有名詞の漢字からイメージを読み取ることは普通のことですので、名前以外でも使うことが出来るでしょう。
占いの特性上声の波動を読み取る必要があると伝える
これはもはや最後の手段かもしれませんが、声が聞き取れないというニュアンスではなく、占いをするためにはもう少し大きく安定した音量でエネルギーや波動を感じなければならないという表現をすることでも、解決できる場合があります。
実際に、相談内容が正確に聞き取れない状況で占いをすることは大変に危険なことです。聞き間違いが元で見当違いな占いをしてしまったとしても、お客様の心にはよくない印象を与えてしまうことになります。それを避ける意味でも、このままでは占いを継続できないと伝えなければならないときもあるのです。お客様が工夫して鑑定を継続できる場合もあるでしょうが、そうでない場合にも丁寧に謝罪をつけておけば、むしろ真面目に占いをしようと心がけている占い師であることが伝わり、好印象を与えることもあるでしょう。
ヘッドフォンを工夫する
これまでお伝えしてきたのは、会話によって問題を解決する方法です。しかし電話占いで大きな成果を上げるためには、事前の準備によって会話が聞こえない事態を避けることも大切です。
イヤフォンやヘッドセットを使って占いをしている場合には、声が小さいお客様用に、大きな音が出る密閉型ヘッドフォンを用意しておくことをおすすめします。私の場合は上の写真のように、ケーブルを二股にするパーツを使って、通常用の楽な片耳イヤフォンと、密閉型ヘッドフォンを同時に接続して、瞬時に切り替えが出来るようにしています。