第2回目の今回は、歯科業界について解説します。
歯科の世界
苦境に立たされる歯科業界
歯科医師といえば、高所得で安定した仕事というイメージを持っている人が多いかもしれませんが、実際は経営が安定しない苦しい歯科医院が増えています。現在では、新規の開設よりも廃業する医院の方が多いという厳しい時代を迎えています。
歯科医院は、過剰供給であるという点も指摘されています。廃業で数が減っているととはいえども、2017年現在では、まだコンビニエンスストアよりも歯科医院の方が多いそうです。(『PRESIDENT (プレジデント) 2019年3/18号(歯医者のウラ側)』)
歯科業界の職種
歯科業界の職種といえば、言うまでもなく歯科医師がその代表者です。歯科医師以外の従業員、いわゆるコメディカルスタッフとしては、歯科衛生士、歯科技工士、歯科助手などがいます。
歯科衛生士は、歯科予防処置や歯科診療補助、そして歯科保健指導を行うスタッフで、歯科医師の指導のもとでのレントゲン撮影や地域によってはフッ化物塗布などのかなり高度な専門性を有する医療行為を行います。
歯科技工士は、入れ歯や差し歯などを作る医療系技術の専門家です。厚労省の調べによれば、40%近い歯科医院が、歯科技工士の仕事のすべてを外注に任せています。
歯科助手は、受付や、歯科医師および歯科衛生士のアシスタントのほか、 レセプトと呼ばれる診療報酬明細書を作成するなど、様々な補助的業務に従事します。
資格習得方法と期間について
歯科医師になるには、大学の歯学部で6年間学習し、歯科医師国家試験に合格しなければなりません。この試験は、内科や外科などといった通常の医師とは別の資格です。また、口腔外科にはごく少数ながら普通の医師が勤務していることもあります。
歯科衛生士になるには、短大や歯科衛生士養成所で3年間学ぶか、専門課程を有した大学で4年間学ぶことで受験資格が得られる、歯科衛生士国家試験に合格する必要があります。
歯科技工士になるには、専門学校や大学、短大などで2年から4年の学習を積んだ後に、国家試験に合格する必要があります。近年では、学習期間を最低でも3年にする方向で検討されていますが、就学者の減少を危惧して2年で卒業できる課程が温存されています。
歯科助手になるためには特別な資格は必要ありません。
占い目線のチェックポイント
衛生士と助手は職場の花
歯科衛生士は、長きにわたって事実上女性だけの仕事でした。衛生士養成学校の多くが女子校だったからです。現在でも男性の歯科衛生士は極めて少なく、男性の歯科助手もほとんどいません。
こうした状況の背景には、歯科衛生士と歯科助手が歯科医院において、いわゆる「職場の花」であることとも関係しています。歯科医院におけるコメディカルスタッフは若い女性が採用されることが多く、美人が多いと言われています。
歯科業界の転職
歯科業界全体の潮流として、歯科衛生士と歯科技工士は、慢性的な不足傾向にあります。医院の中には、歯科衛生士が確保できないことが原因で経営の継続が困難になることもあります。そのため、衛生士と技工士に関しての転職はかなり売手市場であるといえます。
職場の労働環境
歯科医院は基本的に非常に忙しい仕事です。限られた時間の中で診療の数をこなさなければ、売り上げを確保することができない厳しい状況に置かれているからです。体力的にはかなりハードな職種であり、コメディカルスタッフの離職率は非常に高いとされています。
歯科業界の年収
歯科医師の年収は、働く環境によって様々ですが、開業医の全体平均が年収700万円くらいといわれています。ただし、たくさんの歯科医師を抱えた医院長など、非常に高額な年収を得ている人もいます。
衛生士と助手については、フルタイムかパートタイム科によっても大きく異なります。フルタイムの場合、歯科衛生士の平均年収は300万円台とされています。歯科助手の場合は250~300万円くらいで、一般的な事務職よりもやや高めの水準といえます。
恋愛の様相
Dentwave.comさんのアンケート調査によれば、歯科業界の院内恋愛の経験率は2割程度だそうです。これは、看護職のそれと比べるとずいぶん少ない数字であるといえます。
コメディカルスタッフの女性たちの恋愛事情は一般化できませんが、比較的モテる人が多いという印象があります。