今日は久しぶりに、ホロスコープの診断をしてみたいと思います。テーマはみんな大好きウォルトディズニーです。何を隠そうこの五十六謀星もっちぃ、幼い頃からディズニーが好きなのです。かの夢の国に通うべく、東京で一番膝元に近いエリアに暮らしているくらいです。
私が昔書いたホロスコープ診断は、変に気取ってわかりにくいものになってしまったので、今後は初学の方にもわかりやすいように読み解いていきたいと思います。
ホロスコープの全体像
ウォルトディズニーの出生情報
ウォルトディズニーは、1901年の12月5日にイリノイ州シカゴで生まれました。出生時刻について、は典拠が不明なのですが、Astro-Databankさんのウォルトディズニーの項目にある、深夜0時35分をそのまま信用します。この情報を元に、10大感受点とトゥルーノードについて、メジャーアスペクトのオーブを5度で作図したのが下図です。なお、筆者オリジナルソフトのProphetessクラウド版を使用しています。
天体のバランス
ホロスコープを解読するにあって一番大切で一番最初にするべきことは、天体全体のバランスを見ることです。火地風水のバランスは 火2地3風3水2と極めて好バランスです。CFMについてはC5F2M3とややカーディナルサインが多く、行動力が比較的強そうな配置です。しかし、これは特に目立った特徴というべきものではありません。
主要天体のサイン状況
太陽が射手で月が天秤という組み合わせですが、これは強いチャレンジ精神を持ちながらも周りをそこそこ気にすることができる人というイメージです。世界最初の長編アニメーションである『白雪姫』の制作時には、あまりに巨額な費用がかかることから、成功を危ぶむ声が多かったそうです。
ウォルトは、クリエイターとしては冒険に満ちた作風や設備投資を貫きつつ、実務を支えた兄ロイディズニーの助言にはしっかりと耳を傾けたそうです。これはまさにこの天体の影響であると考えられます。
水瓶の金星
金星は芸術に関することを扱う金星は水瓶にあります。水瓶の金星といえば少しナルシストなイメージがあるところですが、芸術家にとって自己陶酔はすなわち自信へとつながっていきます。そしてその自信は、創造的に満ちた危険な冒険に対して投資を続ける勇気になります。
水瓶には最新技術という意味合いがありますが、ウォルトの創作には最新技術が欠かせない要素でした。例えば『白雪姫』の撮影にはマルチプレーンカメラと呼ばれるとんでもない機械が使われています。これは、複数のセル画を立体的に並べて撮影することで、まるで三次元空間が広がっているかのような効果を表現するカメラです。いかにも水瓶らしいこだわり方だと思います。
また、ディズニーランドも最新技術のオンパレードです。オーディオアニマトロニクスと呼ばれる、音楽と動きが連動した人形や、各種アトラクションの仕掛けなども技術とアイディアの相互作用によって生まれたものであるといえます。
なお、会社のことを占星術で見る場合は、創業者のホロスコープを見るものです。そういう目線で見てみると、ディズニーのアニメがいち早くセル画を捨てて、いち早く3Dのみに移行したことも頷けます。今後も最新の映像技術が出るたびに、ウォルトの金星を引き継いだスタジオは、躊躇なくそれを取り入れていくことでしょう。
金星の位置
金星や水星のような内惑星は、太陽から近い位置にあるときに、その効力が焼き尽くされてしまうと考えられています。これをコンバストといいます。逆に言えば、内惑星は太陽から遠いところにいる方が効力を発揮しやすいと言えます。ウォルトのホロスコープにおいて、金星は太陽から約47度離れています。これは金星と太陽の最大離角である48度に近い数字で、かなり金星の働きが強いことを示しています。
ウォルトディズニーのホロスコープにおける圧倒的な特徴
海王星がカルミネート
ホロスコープの上半分にある天体、すなわちその瞬間空に昇っている天体はエレベーションと呼ばれ、ホロスコープ全体に特に強い影響を与えると考えられています。その中でもとりわけ、天空の一番高いところに出ている天体をカルミネートと呼び、ホロスコープ全体の支配者であると考えて特に重視します。天空の一番高いところとはすなわちMCのことです。このホロスコープでは海王星がカルミネートに相当します。私はこの海王星がこのチャートの最大のポイントだと思います。
陶酔や幻想を示す海王星
海王星は、目に見えない精神世界の物事の天体です。ロマンチックな陶酔や、人々を魅了する幻想を表していると考えるとわかりやすいでしょう。ウォルトの人生は海王星に支配されたものであったと言ってよいと思います。
ウォルトが作り出した音楽とアニメーションの融和した映像作品の数々は、まさに幻想世界の入り口です。彼の生み出したテーマパークは現実を忘れさせる夢の国です。これらはカルミネートしている海王星の働きによるところが大きいのでしょう。
海王星のノンアスペクト
海王星はしばしば、アルコールに対しての陶酔と関連付けられます。実はウォルトはその晩年にはスコッチに浸けたドーナツを食べるほどアルコールに依存していたと言われています。しかもそれは、彼の朝ご飯でした。
こうした海王星の負の側面が出てくるのは、もしかすると海王星がノンアスペクトであるからかもしれません。ノンアスペクトは孤立を意味します。ノンアスペクトの天体は、通常その効力を発揮しにくいものなのですが、アングルの付近にある場合は逆に強烈に作用することがあります。しかしそうした場合には、その天体が無理をしすぎることで、負の効果も発揮されやすいのです。
冥王星をどうするか
この図を見ると、海王星の隣の冥王星の方がアスペクトも多く、ホロスコープの中で存在感を放っているようにも見えます。しかし、ここで一つ考えておかなければならないのは、このホロスコープが1901年の時の物だということです。冥王星の発見は1930年のことですので、ウォルトが生まれた段階ではまだ発見されていなかったのです。占星術の考え方の一つに、そのホロスコープが示す時点で発見されていない天体は考慮しなくてよいというものがあります。
必ずしもそれが適切な考え方なのかどうかはわかりませんが、もしもこのホロスコープから冥王星を除くと、海王星は単独でエレベートして、ほかの天体から離れた唯一の天体ということになり、その場合は海王星の効力がますます強くなると考えられます。